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日比谷公園にカトラー家のベンチ登場

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この世で「マーケティング」というものを最も考えなくてはならないのはどんな仕事?と問われたら、あなたは、何と答えるだろう。
私は迷い無く「公共事業」と答えるだろう。何しろ日本国民全体が「お客様」。しかも「税金」という前金をいただいているという、こんな仕事は世の中に無い。しかし、これほどマーケティングが実現されにくい体質の「業界」も他には無いだろう。

波多野精紀さんのblog「市場通信」で札幌市の興味深い取り組みが紹介されている。ここで登場している札幌市の北川さんは自治体サービスにCRMの視点やオペレーションの手法を持ち込むべしと熱く主張している。北川さんのようなお役人が存在すること自体大きな驚きであると同時に、とかく対応の悪さが喧伝される公共サービス「業界」の中にあって孤軍奮闘されている姿には頭が下がる思いだ。「役人とは本来、公僕なのだから、すべからく北川さんのようにあるべし」と主張することは正論かも知れないが、個人的にはことさら納税者面をして偉そうにしたくもない。また世の役人に対して今更「下僕」として奉仕しろといっても、現実味の無い話に思えてくる。
私としては、公共サービスを提供するお役人は改心したふりなんかしなくてもよいからせめて「洒落っ気」を持ってほしいと思う。

最近、東京都が「思い出ベンチ」という、なかなか洒落た取り組みを始めた。もともとは緊縮財政による公園予算の不足を補うためにあみだされた苦肉の策という面もあるようだが、市民が日比谷公園に新しいベンチを寄贈すると、そのベンチの背もたれにメッセージが彫り込まれた銘板が貼られる。マイベンチが公園に登場するわけだ。

昨年の7月から、日比谷公園と井の頭公園ではこの思い出ベンチの募集を始めたが、100台の募集枠が早々と一杯になるほどの人気だという。個人の銘板が入れられたベンチがパブリックな空間に登場することで、公共サービスと市民の新しい関係が生まれたといってもよいかもしれない。今後はベンチだけではなく、橋や樹木、歴史的建造物などもっと大物にこの仕組みを導入するというのもアイデアだろう。

日比谷公園を歩いた時に、このメッセージを読んでみるのも楽しい。かつてこの公園でデートをした夫婦、学徒出陣をここから見送った老人、癌で先立った妻への思い・・・・それぞれの人々のさまざまな人生や歴史がメッセージに込められている。そのメッセージを辿りながら、何かに似ていることに気がついた。そうブログだ。

ならば、カトラーとしてもここはひとつこの話に乗らねばなるまいということで、この「思い出ベンチ」に申し込んだ。
そして、先日、石原慎太郎都知事からベンチの贈与契約書なるものが届いた。設置が完了し、贈与契約が発効したということだ。

申し込むのは良いが、ベンチにどんなメッセージを入れるべきか?と色々考え、娘の成人にかこつけて作ったのが以下のフレーズ。

君とここに座るのは、どんなヤツだろう。 ちょっと寂しいけれど、楽しみだ。

             20歳になった君にー父より

(カトラー)

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コメント

KATOLER様

トラックバックありがとうございます。波多野blogの波多野です。KATOLERって良い名前ですね。コトラーみたいで。お役所にマーケティングをとは思いませんが、もう少し考えてやってほしいですね。「思い出ベンチ」のような工夫はたくさん出来ると思うのです。ちなみにメッセージは中々ですね。

by hatano

投稿: hatano | 2004.03.24 14:24

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