Googleめがねをかけたビル・ゲイツ、MSの苦悩
NewYorkTimesが5月19日付けの記事で、グーグルがネット上の検索だけではなく、パソコン上のデータも検索する新しいサーチ機能を導入し、マイクロソフトとの全面的な対決に入ると報じている。
SAN FRANCISCO, May 18 - Edging closer to a direct confrontation with Microsoft, Google, the Web search engine, is preparing to introduce a powerful file and text software search tool for locating information stored on personal computers. Google's software, which is expected to be introduced soon, according to several people with knowledge of the company's plans, is the clearest indication to date that the company, based in Mountain View, Calif., hopes to extend its search business to compete directly with Microsoft's control of desktop computing.
この記事でも解説されているが、マイクロソフトが次世代のOS「Longhorn」で、ネット上であれデスクトップ上であれ、探したいデータを同一の操作で行える新しい検索機能を搭載させることを表明していたことから、グーグルがいずれデスクトップ上の検索分野に取り組むだろうということは以前から予想されていた。
グーグル側は公式には、こうした動きについて否定しているが、グーグルのビジネスプランを知る複数の人物からの話しとして、この記事ではデスクトップ上のデータ検索も可能にする新しい検索ツール(コードネーム:Puffin)が年内にも市場投入されるだろうと報じられている。
MS(マイクロソフト)のLonghornの市場投入は早くとも2006年と考えられているから、もし、1年以内にデスクトップ検索の分野に出てくることになれば、グーグルが先手を打つ形になる。ネット検索とデスクトップ検索をグーグルで同じ環境でできるようになるとすれば、既に稼働している検索リスティング広告の配信やGmailなどで具体化させつつあるコンテキスト解析技術を活用したコンテンツマッチ型の広告配信も連動することになるだろう。さらにいえば、前回の記事でもとりあげたように、Gmailの利用者には1ギガバイトのデータスペースがネットワーク上で提供されることになれば、ITユーザーの関心は、PCというハコから、ネットにますますシフトしていくことになる。
近々予定されているグーグルのIPO、ここの所、たて続けに続いている検索技術を軸にした新しい広告配信ビジネスモデルの投入などを見れば、検索サーチエンジンにおける技術的なアドバーンテジがある今の時期に、技術以外のビジネスモデルの分野で確固たる足場を築いてしまおうという意図が明らかに見て取れる。一般にYahoo&overtureと比較され、検索ポータル競争という形で語られることの多いグーグルだが、本当の標的、競争相手はマイクロソフトであることは間違いない。
実はこうしたPCからネットへというシナリオ自体は、マイクロソフトのビル・ゲイツ自身が予測していたものだった。グーグルが検索技術を軸に、次世代のIT世界に向けた布石を着々と打っているのを見れば、大きな焦燥感を感じていることだろう。
かつてネットスケープが登場し、ブラウザーがITの中心課題になった時に、MSはIEの投入によって見事な巻き返しを見せた。その時と同じ強引さを再び発揮して、ビル・ゲイツは次世代のIT世界もリードすることができるだろうか?
(カトラー)
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コメント
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投稿: Chung | 2006.03.30 08:53
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