ブログで世論を動かす方法
<アンチ・KERRY Waffles キャンペーンのTシャツもある>(拡大できます)
「週刊!木村剛」で木村氏が厚生労働省に年金関連の生データの公開を求めている。そうした動きに対して、Bloggerから大マスコミはこうしたことを何故やらないのかという声が上がっている。私もまったく同感である。
また、木村氏は、これまでマスコミ情報の一方的な受け手であった一般の人々がレベルの高い情報発信を行っていくことで、ブログが社会的な影響力を持つ新しい大衆メディアとして成長していくはずだという主張を展開している。
ブログを始めて、まだ3ヶ月にしかならない私だが、メディアとしての新しい可能性をブログに対して強く実感している。「週刊!木村剛」は、そうしたブログの可能性を最もラジカルに実験している場といっても良いだろう。
ブログがこれまでのネットメディアと異なるのは、どんな点だろう。
さまざまな人がこのことについてコメントしているが、私は第一には、ブログを運営する個人に高い情報発信能力が求められる点だと考えている。そしてその個人のメッセージが、トラックバックやコメントの仕組みによって連携していくことで、情報の発信者や受け手にコミュニケーションや連帯感が生まれてくる点も重要である。
そうした形で形成されたブログ・コミュニティの中に、ひとたび木村剛氏のようなファシリテーターとして稀有な才能を持ったBloggerが現れれば、個々の意見が連携して大きなムーブメントが生まれてくることだって可能になる。
実際、善し悪しは別にして、アメリカの大統領選でブログと検索エンジンのGoogleが武器として使われているということが5月24日付けのWIREDの記事で報じられている。
GoogleでWafflesという言葉を検索すると、最上位にケリー候補のホームページへのリンク表示が現れる。
Wafflesとは、女の子たちが大好きなデザート菓子の、あのワッフルのことだが、米語のスラングで「おしゃべりで口先だけ」という意味がある。共和党支持のBloggerたちが、民主党のケリー候補のホームページにWafflesという言葉で意図的にハイパーリンクを張って、GoogleでWafflesという言葉を検索すると、ケリー候補のHPがトップにランクされるように仕組んだのだ。Googleがブログに対して反応しやすいという特徴をうまく利用して、SEO(Search Engine Optimize)対策よろしく、選挙広報対策を展開したわけだ。
やはりGoogleの検索上位に現れるサイトでKERRY Waffles.comというのも存在していて、そのサイトではケリー候補がベトナム戦争の英雄と言われているが、実は帰還してからはジェンー・フォンダと一緒になって、反戦運動を繰り広げていたとか、中傷とまではいかないまでも、ケリー候補にとっては耳の痛い話のオンパレードになっている。
一方のケリー陣営も負けていない。こうした行為に対して、対抗措置としてAdwordsを利用して、広告費を払ってでもこうしたターゲットになったキーワードに連動させて自分たちのメッセージを露出させているという。
逆にブッシュ大統領に対しても同じような、ブログを利用したハイパーリンク行為が展開しており、、"miserable failure"(惨めな失敗)という言葉では、ホワイトハウスのブッシュ大統領のページがトップに表示される。こうした方法の是非は別にして、いかにもアメリカらしいやり口といえるだろう。
こうした悪ふざけともとられかねない手法が投票行為にどの程度影響を与えるのか未知数だが、Bloggerが急増している日本でも、ブログを活用した社会運動が巻き起こってくる可能性は大いにある。
個人的には徒党を組むことが嫌いで、だからこそブログを気に入っているという面もあるので、党派的なプレゼンスの誇示にブログやGoogleを利用するのは反対である。しかし、Blogger個人の自由意志による、自然発生的なものであるなら、こうした手法もまさにブログの機能を活用した、人々の意思表示の新しい形ということができるだろう。
で、カトラーこと私も自発的に以下のキーワードに関して、ハイパーリンクを実践してみた。気に入った方は、ご自身のブログでもどうぞ。
(カトラー)
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