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パソコン雑誌のポジション

このブログの記事「マーケティングセンス無き民営化を排す」が、どこかで目にとまったようで Yahoo! Internet Guide 7月号で取り上げられた。
先週末がその雑誌の発売日で、北千住に用事もあったので、千住のサンロード商店街にある書店「ぶっくらんど」に久しぶりに足を向けた。
考えてみれば、ここ1年以上パソコン雑誌を買っていないような気がする。かつてマックユーザーであった時には、Macの専門誌を毎月何冊か買っていたものだが、それも遠い昔のことのように思える。パソコン雑誌の売り場にもすっかり近づいていない。

本屋に入ってあわててしまった。パソコン雑誌の売り場が消えているのだ。店内をウロウロしてようやく売り場が移動したことに気がついた。北千住の「ぶっくらんど」は、通りに面した入り口が一つの店で、ウナギの寝床のような奥まった構造になっているのだが、そのどん詰まりに移動させられていた。

bookshop_layout.JPG

今の書店はコミックやパートワークと呼ばれるコレクションものに店頭が占拠されていて、昔の本屋のイメージはどんどん崩れつつあり、以前の店内とはだいぶおもむきが変わっていた。それにしてもパソコン雑誌売り場がこんなどん詰まりに移動させられているとは!

目当ての Yahoo! Internet Guide も発売日とあって平積みされていたが、ここでまた驚いた、たいそうな付録が付いているではないか。Yhoo!がQ&Aサイト「Yahoo!知恵袋」をスタートさせた記念特別付録として「Yahoo!知恵袋・あご座布団」なるもの(写真)がオマケとしてもれなく付いているのだ。
パソコン雑誌にCD-ROMがつくのは今や常識だが、こんな大モノがオマケにつくことは珍しい。Yahoo!インターネットガイド創刊以来初めての読者全員プレゼントと銘打っているのだが、モノ自体は説明するにも値しないナンセンスグッズである。ナンセンスグッズというとなにかしらニヤリとさせられるウィットやユーモアがあるのかといえば、そうでもない。文字通りくだらない「ナンセンスグッズ」である。
(*だからこのオマケに惹かれて雑誌を買う必要はないですよ)

たぶん、物理的に大きなオマケをつけることで読者や書店をサプライズさせ、販売対策上の効果を上げようというのが、このオマケ作戦の本来の意図なのだろう。
Yahoo!インターネットガイドといえば圧倒的なYahoo!のパワーを背景にPCネット誌の中ではトップグループを走る雑誌である。逆の言い方をすれば、こうした雑誌でさえ本の内容だけでは勝負ができなくなっているという見方もできる。

yahoo_magagine_promotin.JPG

パソコン誌の退潮傾向は数字の上にも現れている。
以下は「IT系雑誌ニュース」からの引用である。

▼[2003年下期(7月~12月)ABC公査部数] 実売部数ランキング] 2003年度下期(7月~12月発売分) ABC部数からのトピックです。 すべての加盟IT系雑誌が部数減らしています。 上位誌が崩れる中、「週刊アスキー」は、その部数を良く維持しています。

第1位 日経パソコン 300,973部 ( 22,409部 減少 )
第2位 週刊アスキー 179,016部 ( 1,506部 減少 )
第3位 日経PC21 148,754部 ( 16,115部 減少 )
第4位 アスキー.PC 111,159部 ( 24,844部 減少 )
第5位 PC Japan 84,224部 ( 20,644部 減少 )
第6位 日経ベストPC+デジタル 76,582部 ( 14,098部 減少 )
第7位 日経CLICK 68,572部 ( 8,471部 減少 )
第8位 Yahoo! Internet Guide 68,354部 ( 3,638部 減少 )
第9位 日経NETWORK 64,713部 ( 10,043部 減少 )
第10位 ASAhIパソコン 54,701部 ( 7,750部 減少 )
第11位 日経Win PC 52,602部 ( 11,148部 減少 )
第12位 YOMIURI PC 47,973部 ( N/A-初公査 )
第13位 日経コンピュータ 46,086部 ( 518部 減少 )
第14位 月刊アスキー 42,310部 ( 5,697部 減少 )
第15位 日経バイト 41,259部 ( 4,368部 減少 )

総じてパソコン専門雑誌の苦戦が目に付く。
人々のITに対する関心が、PC(ハコ)まわりからネット&ユビキタス的世界へという流れが鮮明となり、パソコンに依拠したいわゆるパソコン雑誌が厳しい状況に直面していると推測できる。90年代後半から火がついたパソコン誌創刊ブームで、一時期は創刊誌の数が自動車雑誌並みになるという時期もあったのだが、そうした熱狂は明らかに過ぎ去った。パソコンというハコが急速に進化していた時期に私自身も共有していたワクワク感が薄れてしまったことは否定しがたい。それだけ、パソコンという道具が当たり前のツールになったということでもある。

もちろん、出版側もこうした変化をとらえ、パソコン誌の内容などもネット系の話がかなり多くなっているのだが、その分、どの雑誌も内容が似たりよったりとなり、マンネリ化している。パソコン誌の世界は、今後は体力勝負の消耗戦、淘汰の時代に入るのかも知れない。

Yahoo! Internet Guide のオマケ大作戦は、そうした淘汰の時代の幕開けを告げるものといったら言い過ぎだろうか?

(カトラー)


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