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千住「大はし」~変わらないことの価値~

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千住に「大はし」という大衆居酒屋がある。
北千住は私の家まであと数駅という場所なのだが、ついつい途中下車して、この「大はし」に立ち寄ってしまう。建物が老朽化し、ついにビルに建て替えることになり、昨年から改装工事が進んでいたのだが、久しぶりに行ってみると新店舗になっていた。


「大はし」は、まさに大衆居酒屋と呼ぶに相応しい飲み屋で、ここの名物「肉とうふ」(320円)と梅割焼酎(250円)があれば、あとは何もいらないくらいだ。コンクリートむき出しのタタキにぐるりとカウンターが回っていて、今年、70歳になるオヤジとその息子が店を取り仕切っている。

焼酎は、下町の古手の居酒屋では、圧倒的なブランド力を持つ「キッコー宮」。ボトルキープができて1150円という安さは、ナントモうれしい。常連は、この焼酎ボトルをキープし、席に座ると、何を言わずとも、「氷、梅エキス、ソーダ」の3点セットが目の前に出てくる(ちなみに氷と梅エキスはサービス)。

久しぶりにのれんをくぐり、店の中を覗いて先ず驚いたのは、店内が旧い店と全く変わっていなかったことだ。カウンターの位置、肉とうふの大鍋の場所、品書きの短冊の貼り方まで、前の店と変わらない。

いわゆる「老舗」が改装をして、中途半端な高級路線に転換して失敗するようなケースをよく聞くが、大はしのコンサヴァ(守旧)ぶりは、徹底していて見事である。
「大はし」の屋号に「千住で2番」というキャッチフレーズがついている。別に奇をてらってつけたキャッチフレーズではなく、あくまでも「大衆酒場」であること、今風に言えば「B級グルメ」にこだわりますよーという決意のあらわれでもある。

席に座って、
「せっかく店建て替えたって、これじゃあ、ちっとも変わらねえじゃない」と声をかけると、
「前と違うとお客さんに怒られちゃうからね」とニヤリと笑ってオヤジがこたえた。

(カトラー)

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肉とうふの大鍋を守るのはオヤジの役目(写真:水戸部酒造Webより

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左:下町大衆酒場のトップブランド「キッコー宮」&梅エキス、ソーダのセット
右:絶品!名物「肉とうふ」

  千住 大はし

    東京都足立区千住3-46
    TEL 03-3881-6050
    営業時間 16:30~22:30
    (日曜・祝日定休)


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