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キムタケは坂本龍馬になれるか?なれますとも!

年金問題公開討論会に参加した。
今回はホスト役に回った木村剛氏の手腕によるところが大きいが、ゲストスピーカーの自民党、河野議員、民主党、古川議員のそれぞれから本音に近い話が聞けて大変興味深かった。

年金の議論について、マスコミ報道からは、例の未納問題やそれに付随した党利党略の話しか聞こえてこないのだが、現場の若手と呼ばれる議員は真摯にこの問題に取り組んでいることがわかった。少なくとも今回のスピーカーとなった両議員の主張する政策の中味はそんなに大きな差がないことは明らかであった。「なーんだ話してみれば目指すところはそんなに変わらんのだ」という感想を誰もが持ったであろう。これでめでたく両党が手を結べば、まさに薩長連合の成立、キムタケこと木村剛氏は、めでたく坂本龍馬となる夢を叶える!ーという大団円となったのだが、世の中そんなに甘くない。今後、建設的な議論が両党を軸に進んでいくためには、いくつも越えなくてはならないハードルが存在する。

方々から批判が噴出したが、3党合意なるものが成立した時点では、実は年金問題を政争の道具にはしないという最低限のコンセンサスが両党の間にはあったのだが、例の未納問題の突発でそんなものはどこかに吹き飛んでしまった。さらには、小泉自民党は、この問題への対応のまずさから敗北し、岡田民主党は望外の勝利を手にしてしまった。今や年金問題は政権の中心テーマ、すなわち政争の戦略課題になってしまったのだ。もともと普通に議論をすれば、両者に大して差がないにもかかわらず、今や安易に妥協ができなくなってしまった・・というのが現状といえるだろう。

年金問題への対応は日本の生き残り戦略

しかし、待ってほしい。もう一度この問題の本質や原点に立ち帰って考えれば、やはり年金問題はパワーゲームの中に置いて議論すべきテーマではない。薩摩が悪い、長州がバカだといっている場合ではないのだ。マーケティング的にいえば、年金問題への対応とは、日本株式会社にとって生き残り戦略そのものに他ならない。目前に迫った「黒船」は、若くて潤沢な労働力を背景に急成長する中国やアジア諸国であり、その対極に存在する日本を襲う「高齢化&少子化」である。圧倒的な不利は見えているのだが、何とかここを凌いで新たな時代の成長戦略を描いていかなくてはならない。少子高齢化は避けられないけれど、世界で初めてそれを逆手に取って、成長戦略を描けるかどうかが問われているのだ。もし、年金問題への対応を誤れば、世代間の確執は深まり、若い世代のエネルギーとシルバー世代の知恵や経験を生かして新しい産業モデルを構築するなどという考えは夢のまた夢となってしまうだろう。そうれなれば、この国には自殺する老人と夢を無くした若者しかいなくなってしまう。
必要なのは、両者が党利党略を越えて議論する第3の場である。それは、本来ならば2大政党を仲介する別の第3党、もしくは議会そのものとなるのだろうが、いずれも機能不全を起こしてしまっている。やはり坂本龍馬が出て、頑張ってもらうしかないというのがカトラーの結論である。

あらためて公的年金タスクフォースにその役割を期待する!

(カトラー)

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