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ブログは今すぐはじめて、一生続けるべし

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メール道(NTT出版)

鈴木大吉さんが主宰される「IT研究会」が、21日で100回目の開催を迎えるということだったので久しぶりに参加させてもらった。鈴木さんは日本団体生命を副社長まで勤め上げられ、これからは悠々自適かと思いきや、

インターネットの世界に飛び込んで「あくせく自適」(鈴木さんの言葉)といいつつ、企業経営者にITの活用を啓蒙したり、東京みやげドットコムというユニークなサイトまで運営しているというスゴイ方。「IT研究会」とは、毎月1回、中小企業の経営者の方々を集め、日経BP社の主席編集委員、上村孝樹さんなどが講師となり、ITの勉強と経営に活用する実践の場になっている。一言で100回というが、これは並大抵のことではない。鈴木さんや講師の方々もほとんど手弁当に近い形で活動を続けられており、その熱意に頭が下がる思いだ。鈴木さんたちのこうした地道な活動を通じて、ともすると上滑りしがちなITの世界が、日本のビジネスの現場にしっかりと根付くようになってきたといってもよいだろう。

100回記念の勉強会の講師として招かれたが、久米繊維工業の久米信行社長だ。久米さんは、墨田区でTシャツ素材の製造を行っている老舗メーカーの3代目で、われわれの間では密かに敬意をもって「ネットの怪人」と呼ばせていただいている。とにかく多才でしかも博識な方で、インターネットの可能性にも早くから着目し、さまざまな取り組みにチャレンジされている。本業との関わりでは、オリジナルTシャツをオン・デマンドで販売するT-GALAXY.COMを立ち上げる一方で、ITの伝道師として、中小企業経営者の集まりなどに講師として招かれ、全国を飛び回っている。今回は「メール道」(NTT出版)という久米さんの本が出版されたこともあり、メールとブログというホットなテーマで話をされた。

ITの講演というと大抵は訳のわからない横文字を並べて脅迫するようなパターンのものが多いのだが、久米さんの話は逆にほっとする気分にさせられる。例えて言うなら、ちょうど下町で檀家のオヤジ連中が住職の法話を聞いているような趣がある。それは、久米さんにとってITというものは、当初から久米さんという個性と他の人々とを繋ぐネットワークの手段であって、IT自体が問題ではないからだ。その点で、テクノロジーにしか目がいかないIT至上主義者とは全く異なっている。久米さんは「縁尋奇妙」という久米さんの縁者から寄せられたメールを毎日紹介するという取り組みをずっと続けられているが、これなどは「ひとりソーシャル・ネットワーキング・サービス」ともいえるような活動で、久米さんの友達は友達というような形で人のネットワークがどんどん広がっている。一言でいえば久米さんの人徳ネットワークなのだが・・・。

さて、その久米さんの今回の話だが、ブログの登場に最大限の評価をされていたのが大変、印象的であった。
ITツールとして、誰もがすぐに始められる敷居の低さ、検索エンジンからのトラフィックの多さ、そしてブロガー同士を結びつけるネットワーク力。考えて見れば、ブログとは、久米さんがこれまでやってきたことをそのままがITツールとして体現されたようなものなのだ。
久米さんのブログ:縁尋奇妙日記

久米さん曰く、「ブログは今すぐはじめて、一生続けるべし」。

一生続けられるかどうかは、甚だ疑わしいが、鈴木さんや久米さんを見習って根気強く続けてみたいと思った次第であった。

(カトラー)

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