これからの「OL」マーケットは、30代が牽引する
シティ・リビングはフリーペーパーの草分け、サンケイリビング新聞が姉妹紙として発行するOL向けのフリーペーパーだが、今年で発行20周年を迎えている。以前の記事にも書いたが、OLのパワーというものは、私のようなオジサンからすると、想像をこえた部分があって、空恐ろしささえ感じる時がある。会社の湯沸かし室や会議室でOLの皆さんのランチタイムの会話が耳に入ったりすると、思わず後ずさりしてしまうという、あの感覚である。しかし、そのパワーが、世界の有名ブランドの日本での売り上げをトップに持ち上げ、丸の内にもブランドショップを林立させる牽引力になっており、日本の消費経済の相当な部分を支えているのは間違いないところである。
西さんによれば、OLたちの購買力は、晩婚化によってさらに高まり、国民生活統計によれば、渋谷、杉並、中野の3区では30代女性の未婚率が50%を越えたという(2000年時点)。30代で結婚していないということの方が、いまや当たり前になりつつあるのだ。私が結婚した頃は、女性の結婚適齢期は24~25歳という観念や寿(ことぶき)退社という言葉がまだ生きていたことを思えば隔世の感がある。
西さんから「結婚適齢期」あるいは寿退社を境にした区分に代わる、新しいOLのステージ区分について教えてもらった。シティ・リビングが主宰し、先代の編集長、植田菜保子さんが会長をつとめる「OLマーケット研究会」がレポートした、新しいマーケティングのフレームの考え方だ。大変示唆に富み、興味深いものなので紹介しよう。
◎新X’masOL(24歳まで)
昔でいう結婚適齢期の花のOL,若いうちはチヤホヤされるが、「イブを過ぎたら残り物」いう意味も。OLの皆さんにとっては失礼な話だが、かつてはX’mas商材的なマーケティングが展開されたのも確か
◎歳末OL(25~29歳まで)
団塊ジュニア世代。人口のボリュームゾーンでこれからの消費の主役。でも、読んで字のごとし、X’masOLに比べれば、多少「大売り出し」も必要となるか。
◎ハッピーニューイヤーOL(30代~)
うーむ、このネーミングはスゴイ。その後の「花のOL」(バブル)世代ということになるのだが・・・開き直って、未体験ゾーンを切り開いていく新しいOLたちと敬意をもって呼ばせていただきたい。会社でこのひとたちに不評を買ったら生きていけない。
マーケティング的にいえば、OLマーケットへの取り組みは、これからは30歳がひとつの区分になるという仮説が立てられるという。今後、団塊ジュニア層(歳末OL)が、30代という未体験ゾーンに突入してくるわけで、その消費行動を的確にとりこめるかどうかが、ブランド品、化粧品、ウェディング等々、OL向けの商品を扱うプロバイダーにとっては命運を左右することになるだろう。
ただ、別の観点から見れば、30代・ハッピーニューイヤーOLと呼ばれる彼女たちの旺盛な購買力は、結婚しない、あるいは子供をつくらないことで成り立っている面もある。東京の街の至る所に開店している高級ブランドショップは、実はこの国の少子化の代償の上に成り立っているのかも知れないと考えると、いささか複雑な心境になった。
(カトラー)
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コメント
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投稿: Augusta | 2013.10.02 09:30