ブログな人々はしらけてなんかいない
インターネットとマスコミというテーマは、私の関心のストライクゾーンでいえば、ど真ん中なのでOKなのだが、一般の人々からはどれだけ関心あるテーマかなと少し心配になった。たぶん、プロ野球問題でいくか、このテーマでいくか、迷ったのではないかと推測するが、プロ野球問題は、本が出版される頃どうなっているかわからない恐さがあった。まあ、ライブドアvs楽天問題なども巻き起こって、シーズンオフは、当分この話題で盛り上がると思われるので、次はプロ野球問題でしょう。←と、独り編集会議
しかし、今回のテーマはぜひやっておいてほしいことでした。
そういうわけで、以下にbk1に投稿した書評を紹介。
bk1投稿書評 ↓
年金問題で狼煙を上げた木村剛が、「月刊!木村剛」で次に掲げたテーマが「インターネットはマスコミに勝てるか?」。いかにも木村氏らしい挑戦的なタイトルだが、このところ、マスコミとネットを巡る関係は、緊張感を増していて、一触即発という状況が続いている。この本が出版された直後、米国、CBSの看板番組60ミニッツが報道したブッシュ大統領の過去の軍歴疑惑に関する報道内容に決定的な誤りがあることをブロガーから指摘され、全面的な謝罪に追い込まれた。
また、この「月刊!木村剛」でも紹介されているが、日本においても共同通信社が運営していたブログで、このブログの編集長が、ライブドアの堀江社長のことを「スノッブで気に食わん」と断じたことで、ブロガーが猛反発し抗議のコメントが殺到、2ヶ月にわたって休止に追い込まれるという騒動に発展した。ここ日本においても「マスコミ vs ブログ」という構図が成立しつつあると見ることができるだろう。
これを脅威ととらえるのか、変化へのチャンスととらえるのかで日本のマスコミやメディア産業の将来は大きく変わってくるはずだ。
これまでも2ちゃんねるなど大きな影響力を持つインターネットメディアは存在した。しかし、ネットでのやりとりは匿名性を前提にするために、「トイレの落書き」と揶揄されるようなネガティブな要素が生まれがちだ。木村剛氏は、ブログというコミュニケーションツールの登場で、ネット上の議論が「ネガティブなものからポジティブ・コミュニケーションに変わる」可能性が生まれたと主張する。この「月刊!木村剛」にもそうした主張を裏打ちするように、ブロガーたちのオピニオンが数多く紹介されている。この本を読んだ人々は、ブロガーの間で展開されている議論の熱さやレベルの高さに大きな驚きを感じることだろう。
「今どきの若い連中は、ケータイばかりにうつつをぬかして、新聞も読まない、政治や社会のことにも関心がない」そう嘆いて見せたマスコミ人がいた。しかし、そうした見方はいかにもマスコミ的な色メガネであることをこの本を読めば思い知ることだろう。
ブログな人々はしらけてなんかいない。
ブログのオピニオンメディアとしての可能性、マスコミとインターネットの関係を考える上で「月刊!木村剛」は必読の一冊だ。
(カトラー)
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