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アクティブシニアの熱い夜②                  ~リューブゼリーという福音~

lube01-lアクティブシニアの性の問題を考える時に、どうしても言及しておかなくてはならない商品がある。

その商品を開発したのは、旧厚生省の外郭団体で「家族計画協会」というまじめな社団法人である。商品名を「リューブゼリー」という。その商品説明を以下に引用する。

●人生80年の時代。生活の向上・医学の進歩などにより、誰もが健康で長生きできる時代です。だからこそ「いかに心身ともに満たされた暮らしを維持していくか」は、これから生きる私たちにとって大きなテーマといえます。
●性に年齢制限の上限はありません!・・・すでに、性や性生活に対する考え方は大きく変化しています。昨今では「性生活の充実こそ、加齢にともなう人生をゆたかにし価値を高める」とさえ認識され始めています。
・・・(中略)・・・
●男性についてはそのような薬の登場により一歩前進いたしましたが、女性の場合は男性よりも性ホルモンの減少スピードが速く、そのためにさまざまな障害が起こります。たとえば腟内においてうるおい機能などが衰え、性交痛の原因になります。しかしホルモンのバランスの変化は更年期時期においてのみ起こるのではなく、若い女性においても精神的ストレスなどにより変化します。そのため一時的にうるおいが減少し、痛みを感じて満足なセックスライフがおくれないと訴えるケースも多くなっています。リューブゼリーはそのような方々のために開発された製品です。

驚いたことに、この商品の販売個数は累計で700万個に達するという、知る人ぞ知る大ヒット商品なのだ。家族計画協会はその名の通り、もともとは、戦後の日本がまだ発展途上にあった時、貧乏の子沢山の状況から抜け出すためには、産児制限をする必要があるということから、避妊具(コンドーム)の使用啓蒙などを行っていた団体で、産児制限が必要なくなってからは性教育や母性保護の活動を展開してきた。リューブゼリーは、そうした活動の過程の中で、シニア女性の切実な声を反映する形で生まれてきた商品だという。
バイアグラの登場で、シニア男性の性の問題には社会的な関心が集まったが、シニア女性の問題が議論されることはあまり無かった。あたり前の話だが、男性がいくつになっても女性と交わりたいと思うとすれば、同じ度合いで女性もセックスへの願望を持ち続けるのだということを忘れてはならない。

 性の問題は、個人差が大きい。自分のことを考えると「老人」と呼ばれる年齢になっても、「ハリウッド」で出会った人々のように元気よく頑張れるかといえば、全く自信がない。しかし、一般的にいえば今の60歳はとても元気だ。エロスの問題は、夫が定年で会社を辞め、熟年夫婦があらためて向き合うようになるからこそ、なおのこと大きなテーマになるだろう。累計700万個というリューブゼリーの販売個数は、アクティブシニアにとって、性の問題は、老齢に近づいて終わりを迎えるのではなく、むしろ新たに始まる問題なのだということを物語っている。

(カトラー)

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コメント

トラバとしては、内容無関係トラバです。
カトラーさん、幅広い分野に造詣が深いので、挑戦状送ってみました。楽しみにしてます♪

投稿: わに庭 | 2005.02.12 11:49

 リューブゼリーは、確かに革命的な商品ですね。潤滑剤としてどの薬局でも堂々と購入できるようになったのは大きいです。若者でも、女性のタイプによっては必須の道具でもありますし。
 男性ですが、この商品が薬局で買える、ありがたさを実感しています。

投稿: うみゅ | 2005.03.07 10:59

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