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ホリエモンの拝金主義とは?

horiemon_kinkai新聞社を辞めたガ島通信さんが日経BP社のポータルサイト「nikkeibp.jp」で実名ブログをスタートさせ、ホリエモンのことを取り上げている。ニッポン放送の社員が「ホリエモンにはリスナーに対する愛がない」という声明を出したあたりから、ホリエモンに対して拝金主義のイメージがつきまとうようになったと指摘している。

ホリエモンを拝金主義というなら、ラジオ業界でダントツの営業力(=集金力)を誇るニッポン放送だって同じ誹りを受けかねないと思うが、それはさておき、彼の著書などに書かれている言動をトレースしていくと、「カネで買えないものはない」とか「女はお金についてくる」等々、本を売るためのテクニックという面もあるだろうが、確かにお金に対して独特のこだわりを抱いていていることがわかる。その言動を表層だけをとらえると、かつての田中角栄の言動を彷彿とさせるような時もある。ロッキード事件から20余年が経過した今、「金が力だ」と言いはなち、今太閤と呼ばれた地位から転落した田中角栄の亡霊を、デ・ジャブのように、32歳の青年実業家の姿に見ていることになるのだろうか。

日経ベンチャーが「“明るいおカネ第一主義”の伝道師 ライブドア社長 堀江貴文」という石井信平氏の文章を2月号で掲載していて、それをネット上で読むことができる。ホリエモンの評伝としては秀逸なものなのでぜひ読んでみてほしい。その中で石井氏はホリエモンの金銭感覚をこう描いている。

「プロ野球新規参入問題の渦中で、巨人軍前オーナーの渡辺恒雄は言った。『オレも知らないような人が入るわけにはいかんだろう。カネさえあればいいってもんじゃない』 旧勢力に君臨する男のコメントだ。しかし、堀江はこう反撃した。『世の中にカネで買えないものなんて、あるわけない』。身も蓋もない発言だ。彼は『唯金論者』なのか。それとも守銭奴? 彼の言わんとするところはこうだ。カネで買えないものは、差別につながる。血筋、家柄、毛並み。世界で唯一、カネだけが無色透明で、フェアな基準ではないか・・・」

さらに石井氏の評伝には、かつての恋人の父親から起業の際に600万円を出資してもらい、その出資金をめぐるいきさつが紹介されている。

「3年後、会社が急成長を遂げ、上場の話が持ち上がった時、内部対立が起こり、30人程いた社員の内、創業メンバーを中心に10人前後が辞めた。その中に、この「最大の出資者の娘」がいた。当時、彼女との関係は冷え切っていたが、その時点で彼女の持ち分は、全株数の40%。時価総額5億円に達していた。別れ際こそカネが大事だ、と思った。彼は銀行に個人融資を頼み、5億円を彼女に返した」

堀江貴文にとって、お金というものは「無色透明なフェアな基準」あるいは「この世のルール」として存在する。堀江の言動の表層的な部分だけをとらえて、「拝金主義」と批判する人々の多くは、堀江が「おカネ」に対して感じている聖性を理解できない。そこには田中角栄の失脚のきっかけとなった、賄賂を意味する「ピーナッツ」という言葉が持っていた薄汚さはない。

情報・通信の世界で流行している言葉で「ビットとアトムが融合する」というキーフレーズがある。
現実空間が情報化されていくと、ヴァーチャルとリアルの境目がなくなり、情報(ビット)と物質(アトム)が融合する世界が生まれてくるということを表現したものだが、ホリエモンのいう「お金」や彼の「拝金主義」とは、この「ビット化したマネー」を前提にしていると言っても良いだろう。

そのビット化したマネーは、田中角栄を失脚させた「ピーナッツ」や、田中の後継者で脱税によって逮捕された金丸信が貯め込んでいた「金塊」とは明らかに異なるものだ。それは、情報ネットワークを通じて記号のようにやりとりされ、国境を越えて全世界を動き回る。実は、堀江が率いるライブドアという企業体自体が、大手の持ち合い株主というものをほとんど持たず、ネットを通じて1株300~500円の株に投資する、無数の個人ネット投資家の「ビットマネー」によって構成されている。時として堀江がパワーのようなものを持つように見えるとすれば、こうしたビットマネーの群れが、空中に無数に飛び交うカゲロウやヤブ蚊のように何かの形をとって見せている瞬間に過ぎない。

最近になってライブドアvsフジテレビの抗争に参戦した北尾吉孝氏は、自信満々だ。そんなカゲロウあるいはヤブ蚊の群れは一払いで追っ払ってやり、堀江はさっさと降伏してくるしか道がないと思っているようだ。彼が育ったマネーゲームの世界の論理では、そうなるのかもしれない。しかし、これは私の無責任な直感だが、この話には、まだ全く別の展開がありうるのではないかと思っている。

「他人の家に土足で踏み込んで、一緒に仲良くやりましょうという話は通らない」(SBI 北尾吉孝CEO)

確かにその通りだ。しかし、それはマナー(お行儀)の話だ。ホリエモンに対して何の義理もないが、あえて擁護するようなことを言うなら、ベンチャーにマナー(お行儀)は必要ない。そのことは、ソフトバンクというベンチャー企業を孫正義と一緒に育て上げてきた北尾自身が一番わかっているはずだ。
ベンチャーは、ルールのことだけを考えれば良い、それを拝金主義と呼ぶかどうかは、どうでもよいことだ。

(カトラー)

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コメント

>ベンチャーにマナー(お行儀)は必要ない。

へー、じゃベンチャーの人間はTシャツ短パンにチラシの裏に手書きの名刺を持ってアポ無しで社長に会いに行っても問題ないって事ですね?
もちろん使う言葉は友達言葉で。
それを思うと総会屋の方がマナーがあるような気がきますが、流石信者、あ、儲の人の考えている事はちがうなぁ

投稿: | 2005.04.15 09:56

アンチどもの言い分は無能者の言い訳、妬み、嫉みでしかない。はっきりいって見苦しい限りである

投稿: アンチホリエモンどもは見苦しい | 2005.04.20 06:53

「ピーナッツ」と何が違うのか、さっぱりわかりません。
彼の言うお金が「ビット化したマネー」であるという根拠がどこにもありません。
「表層的にしかとらえていない」とおっしゃいますが、深層的なことは一体どこで触れられているのでしょうか。
お金の話から、いきなりビジネスマナーの必要性の話に飛躍している。お金の話を掘り下げましょうよ。

残念ですが、儲のマンセー記事としか読めません。

投稿: | 2005.05.23 16:40

記事はおもしろくないけど、
個人ブログなのにこういうコメント消さないのは偉いね

投稿: 田中 | 2005.08.29 00:34

 マネーの価値や捉え方を議論しても無意味だろう。ニッポン放送株式買占めは、彼の野望だ。金で買えない物は無いという論理は技術的な意味で、お金が野望を成し遂げる上で最も重要な道具であるという認識を示している。人間性だとか人生観みたいな話には無関係な論理だ。

 ただ、お金の集め方が違法であってはいけないし、その行為が国家や社会や人々にどう影響するかも考えなければならない。それが無ければ拝金主義者、守銭奴と言った批判を甘受するしかないだろう。

投稿: | 2012.04.24 19:45

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