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この世の終わりに食べたい「うさぎやのどら焼き」

usagiya_dorayaki2
おめでたい年のはじまりの正月早々から「世界の終わり」についての話題で恐縮だが、宇宙人襲来や隕石激突、はたまた、はずれたノストラダムスの予言でいわれていたアンゴルモア大王の降臨でも何でも良いのだが、この世の終わりが来るとわかった時に、ひとはその終わりの瞬間に際して何を食べるだろうか?私の場合は、迷い無く、「うさぎやのどら焼き」と決めている


食べ物についての蘊蓄を語ることは得意ではないのだが、この「うさぎやのどら焼き」を食べると、それまでのどら焼きに対する固定観念がガラガラと音を立てて崩れ落ちるのを経験するだろう。どら焼きというと、駅ビルの食品売り場などで真空パックされた状態で結構日持ちする商品として売られているのをよく見かける。年賀の挨拶などで手ぶらでいくには気が引けるような相手に対するちょっとしたおつかいものとして重宝がられる和菓子である。大事な気を遣う相手には、「虎屋の羊羹」だが、とりあえず気心の知れた田舎の親戚などに対しては手土産として最適・・・という感じだろうか。

しかし、うさぎやのどら焼きについては、地方へ宅配便などで送ってもらおうとすると、店主から丁寧に、しかしきっぱりと断られる。

「当店のどら焼きは作りたてをその日のうちに召し上がっていただくことをお奨めしています。遅くとも翌日までがおいしく召し上がっていただける賞味期間とご説明申し上げておりますので、宅急便で地方にお送りすることは承りかねます」

つくりたてのしっとりした、まあるいカステラ地に、甘味を抑えたトロリとした餡がたっぷりとはさまれていて、口いっぱいに頬張ると、それがまさしく生菓子であることを悟るだろう。日本語では、天からの恵みである果物のことを「水菓子」と呼ぶことがあるが、うさぎやのどら焼きも、まあるいお月様が自分の姿に似せてつくりだした果実、天からの恵みなのではないかと思えてくる。

世界が終わりを迎えるとき、最期の夕焼けを眺めながら、このどら焼きと渋いお茶があれば私は満足だ。これまで重ねてきた罪深い行いに対する心の痛みも、まあるいどら焼きの甘さがモルヒネのように癒してくれるだろう。人生は甘美なものだが、一服のお茶の苦味で跡形もなくなる・・・そんな感慨をもたらしてくれる食べ物は、このうさぎやのどら焼きをおいて他にない。

(カトラー)

■うさぎや(上野)

  • 住所:東京都台東区上野1-10-10
  • TEL:03-3831-6195
  • 営業時間:午前9時~午後6時
  • 定休日:水曜日 新春は4日より

*文章中で紹介の通り、宅配便での配送には対応されていないので、その点ご留意ください。

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Comments

あけましておめでとうございます。いつも読ませていただいてます。あまり難しい話題には反応できませんが、「うさぎやのどら焼き」ときいて思わず反応。
急に食べたくなってきましたが、4日まで待たなくては行けません。いつも神田明神、湯島天神という初詣コースの帰りに立ち寄りますが、混んでますね。
「世界が終わりを迎えるとき、最期の夕焼けを眺めながら、このどら焼きと渋いお茶があれば私は満足だ。これまで重ねてきた罪深い行いに対する心の痛みも、まあるいどら焼きの甘さがモルヒネのように癒してくれるだろう。人生は甘美なものだが、一服のお茶の苦味で跡形もなくなる・・・」
素晴らしい表現ですね。
しかたないので木村屋の桜あんぱんとコーヒーという安易な取り合わせでメシアンの「世の終わりのための四重奏曲」を聴いてます。
今年もよろしく御願いいたします。

Posted by: 北村隆男 | 2006.01.02 at 11:20 AM

あれ、果物は「水菓子」ではありませんでしたっけ?
あと地方への発送を断るお店って、同時に
「うちに宅配で送ってくれ」という注文も嫌がるお店って結構ありますので、
ネットでの紹介も避けた方がいいかもしれません…。

Posted by: てんてけ | 2006.01.02 at 08:43 PM

あけましておめでとうございます。
北村さん、書き込みありがとうございます。神田明神、湯島天神&うさぎやというのは、まさに黄金ロード。私の場合は、根津権現、湯島天神というコースで回ったりします。
うさぎやのどら焼きも木村屋のあんぱんもコーヒーにも良く合いますよね。今年もよろしくお願い申し上げます。

てんてけさん、本年もよろしくお願い申し上げます。ご指摘の点、その通りです。水菓子と書いたつもりだったのですが、さっそく正月ボケをやってしまいました。早速、「生」→「水」に修正させていただきました。
自宅への宅配便での発送も、うさぎやさんはやっていないと思いますので、その点も書き添えさせてもらいます。

Posted by: katoler | 2006.01.03 at 10:07 AM

私も「うさぎやのどらやき」を死ぬ前には食べたいと思う派です。あるいは夏なら、芋甚の小倉アイスかもしれませんが・・・

Posted by: setsu | 2006.01.06 at 03:06 PM

8年前(うさぎ年?)うさぎやのどらやき引き換え券つきの年賀状をいただきました
そして、おいしいのをいただきましたっけ
今でもよく覚えております
katolerさんのうさぎやに対する思い入れ
このブログであらためてわかりました
ことしはどんな年賀状かしらと楽しみにしていますが、これからはWebの年賀状も合わせて楽しみにしていますね

Posted by: 中川未知子 | 2006.01.07 at 08:33 PM

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