自民の歴史的敗北とおぼっちゃん政権の立ち往生
安倍首相にしてみれば、閣僚の相次ぐ失言や事務所費問題を契機とした松岡農林大臣の自殺、社会保険庁の怠慢が原因で降ってわいた年金問題と、自らの直接の失政ではない事柄によって、政権に対する世論や求心力が急降下してしまった。「戦後体制からの脱却」という、自身が掲げた高邁なゴールに向かって、全速力でフェラーリ(政権)を駆ってハイウェイを疾走するつもりでいたのが、タイヤの方で勝手に次々とパンクして立ち往生してしまった。俺はまだちゃんとこのフェラーリ(政権)を走らせていないんだ、こんなことでクルマを降りてたまるか!という思いに駆られているのだろう。
裏目に出たおぼっちゃん農相の起用
松岡前農林大臣の自殺の後を継いだ、実生活でもフェラーリを乗り回していたという赤城徳彦という「超おぼっちゃん農相」を任命したことも最悪だった。安倍としては、ダーティーな噂の多かった松岡とは対照的なイメージを持つ、若くて清新なエリートを据え、人心を一新するという狙いがあったのだろうが、松岡を死に追いやった同じ事務所費問題に足をとられ、マスコミに取り囲まれ、しどろもどろとなり、立ち往生してしまった。
以降、安倍晋三とほっぺたにばんそこうを貼った赤城の「ぼっちゃんコンビ」がメディアに登場すると、人々からほとんど失笑を買うようになってしまった。
ムードに流された選挙ではあったが・・・
今回の選挙結果は、安倍が忸怩たる思いを抱いているように、政策論争に基づいた審判ではなかった。年金問題が吹き荒れ、小泉政権が大勝した郵政民営化選挙の時と同様、多分にムードに流されたものといえるだろう。しかし、善し悪しは別にして、それこそが、小選挙区制がもたらした現実の政治の姿であり、誰もその現実から逃れることはできないということが、安倍には、充分理解できていなかったのではないか。人々のセンチメントが集合した時に生まれる力学というものに、この人は恐ろしく鈍感なのだ。そのデリカシーの欠如に有権者は安倍に救いようのない「おぼっちゃん」性を見てしまう。
官僚の天下り禁止法案(公務員制度改革法案)を通した成果を安倍は強調していたが、そんな法案を強硬採決する前に、世界でも類を見ない世襲ぼっちゃん政治になっているこの国の政治風土を正すべく、国会議員の世襲禁止法案でも通した方がよほど人気とりになったであろう。
ぼっちゃんいじめにあった安倍政権
今回の選挙結果を「ぼっちゃんいじめ」に例えて考えるとわかりやすい。
事務所費や領収証、年金といった、下々のことには鈍感で、もともと関係ないという顔をした「おぼっちゃん」が、気がついたらクラスのみんな(有権者)からシカトを受け、いじめにあってしまったというのが今回の選挙の基本構図である。
選挙中に新潟中越地震が発生した。安倍は、今こそリーダーシップを見せる時とばかりに、選挙応援のスケジュールをキャンセルして被災地に乗り込み、避難所を訪問したまでは良かったが、「必ず復興させますから頑張ってください」と励ましの声をかけた老婆から「それより私の年金のことをちゃんと面倒見てください」と逆にたしなめられて絶句してしまう。「復興」よりも「年金」の方が老婆にとっては死活問題であることが安倍のような人物には想像すらできないのだろう。そうした下々の人々にとって、今度ばかりは育ちの悪いガキ大将タイプの小沢一郎の方が、頼もしく見えたというのが今回選挙のイメージ上の本質であり、民主党のメッセージ戦略は、その点をうまく突いていたといえる。
参議院では、与野党の勢力が逆転し、ハイウェイだったはずの政権運営の道は、一夜にして舗装されていないデコボコの山道になりかわった。山道を走るフェラーリなんて聞いたことがない。早晩、この政権は行き詰まり、瓦解することだろう。
つまるところ、おぼっちゃん政治家、安倍晋三にとってベストの選択は、フェラーリを捨てて、裸足で山道を歩いて見ることだ。一度野に下れば、きっとフェラーリからは見えなかったものが見えてくるはずだ。
(カトラー)
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コメント
『早晩、この政権は行き詰まり、瓦解することだろう。』
安倍政権が改革路線の放棄でもしない限りそのような事態は起こらない。
自民大敗という選挙の結末に思うことは、年金という国民生活に直結している重要な実務を担っている役人が 信じ難いモラルハザードを引き起こしていたことに対する国民の怒りとその激しさについてである。
この年金問題は日本の制度疲労が末期的症状に瀕していることの象徴として 日本国民を驚愕させた。自民党を惨敗に追い込んだ国民の投票行動が安倍政権の改革路線に反対したものでない事は明らかであり、安倍総理の認識は正しい。
安倍内閣の閣僚による失言、スキャンダルが、小泉・安倍改革路線で「改革されるべきもの達」に抵抗の道具として利用されていて本当に改革ができるのか、と安倍政権は国民から強烈にネジを巻かれたのである。
改革される側にいる者達や思想信条的に反安倍を叫ぶ者達は、ネジを巻きにかかった改革推進者が自分たちの反安倍反改革路線の尻馬に乗ったと勘違いしているようだ。
フェラーリならぬサラブレッドの「跳ね馬」安倍晋三に国民のムチが入ったということである。跳ね馬ならアルプス越えも夢ではなかろう。
これから 安倍総理の政治生命を掛けた改革が始まるというのに、「これで安倍政権もお仕舞だ」と浮かれて金正日と喜びを分かち合っている場合ではないないだろう。
大学院在学中に父親の急死で衆院選挙に立候補して、史上最年少の国会議員となった 絵に描いたような育ちの良いおぼっちゃん世襲議員小沢一郎に対するあなたの評価はかなり奇妙だ。世襲おぼっちゃん小沢のガキ大将を装う名演技というイメージ戦略と民主党の損失補てん・血税ばらまきというメッセージ戦略が功を奏したという。
日本国民はそれほど愚かではない。
投稿: かかし | 2007.08.01 01:24
かかしさんの認識も安倍おぼっちゃんと同じでずれてしまっている。国民はお坊ちゃん流の『改革』にも、経済をまったくわからず、やはり経済がなにもわからない小泉路線を踏襲して、先進国では唯一、内需ではなく輸出だのみの景気維持しかできていないおろかさにも怒っている。安倍はもはや死にた体だし、安倍を下ろさないと日本はさらに沈没していきます
投稿: 通りすがり | 2007.08.01 11:50
小沢とどちらを取るのかと国民に迫っておきながら、敗北して居直る卑劣な人間が教育を論じる資格があるはずもなく、まったく知恵もなく、リーダーシップも発揮できない人間が、ミーハーで『改革』を掲げたところで官僚のいいなりになるだけ。
それよりはあのナメクジみたいな顔はどうにかならないのか。
投稿: 風 | 2007.08.01 12:08
通りすがりさん、安倍総理に「おぼっちゃん」というレッテルを貼ることで説明可能な事柄などないことを、小沢に触れた前のコメントで申し上げたはず。加えて、改革に流派など無い。改革するのかしないのか ただそれだけのことである。しのごのと 総論賛成各論反対などと騒ぐこと自体が、改革をしないことと同じなのである。
景気を支えている輸出、といとも簡単に仰るがこの「日本を支える輸出」を可能にしている企業群は、保護も既得権益の恩恵も無い過酷な自由競争の下に置かれていることをお忘れのようだ。内需が日本の経済成長に貢献できないのはその裏返しの理由によるもので おぼっちゃんや変人のせいではない。規制緩和と財政再建、そしてそのための公務員退治。そこをくぐり抜けずに内需拡大など夢でしかない。小泉・安倍が決して受け入れない方法が一つだけある。現在「安倍は辞めるべきだ」と言っている連中の案だ。大公共事業と損失補てんで血税を地方にばら撒き格差を是正すれば良いのだそうだ。ふざけるなと言いたい。
だから改革が必要だと小泉も安倍も繰り返し訴えている。経済をまったく理解していないなどと口から出まかせを言うものではない。
投稿: かかし | 2007.08.02 14:11
何故マスコミは、年金問題について自治労の(元?)代表を努めた民主党候補に質問しないのかが、この選挙期間中、ずっと不思議でした。あと、民主党党首、小沢氏の事務所費、十数億についても全然突っ込まない。
民主党に投票された方々は、民主党のマニフェストを読んだのでしょうか。TV-CMにだまされたような気がします。
投稿: 一般人@選挙後にマニフェストを読み比べました | 2007.08.02 22:31
自民党の敗北でカトラーさんは舞い上がってしまったようですね。冷静な分析ができていないと思います。新聞で世論調査の結果を読みました。安部続投支持が40%を超える結果になっています。かかしさんの指摘が当たっているように思うのですがいかかでしょうか。民主党の政策が良いと思って投票した、小沢党首を支持して投票したという有権者が極めて少ないことにも驚きました。
安部さんは大学を卒業した後民間企業で勤務していた経験があります。かかしさんの指摘によれば小沢さんは学生からいきなり国会議員になられたようです。小沢さんは阿部さん以上のおぼっちゃんということになります。世襲禁止法案があれば小沢さんも鳩山さんも今回の参議院選挙を闘えなかったのだからカトラーさんの安部批判はダブルスタンダードだと思います。
投稿: リトルボイス | 2007.08.03 12:26
出自でいうなら議員はおぼっちゃんだらけだよ。
脳がおぼっちゃんかどうかを問題にしてるんだろ。さすが安倍支持者は文脈が読めないw
投稿: セコウ乙 | 2007.08.03 17:33
脳がおぼっちゃん? こらこら 今日はちゃんとお昼寝しなかったのかな。勝手に脳内革命はほかの子供たちに迷惑だよ。
投稿: 保父 | 2007.08.03 19:05
はじめまして。いつも楽しく拝読しています。
"おぼっちゃんとがき大将"という比喩はいいですね。
でも、今回の小沢さんは手段を選ばなさすぎたかもしれませんね。。完全に居直って、壊し屋にでも徹するつもりなんでしょうか?
安倍さんは、"改革"とか"成長"という言葉を、自分(の主義)に都合のいいように解釈しているだけのように思われますね。。
教育や憲法改正など官僚の抵抗の少ない分野ばっかり頑張って、特定財源や年金みたいな大事なところでは、結局妥協しちゃってますからね。
人材バンク??本気でそんな(競争原理に反する)ものが機能すると思っているんでしょうか?
リストラ、円安による景気循環→企業業績の回復を、"私が総理になってから景気は良くなっている"なんて勘違いして言っているあたりは正におぼっちゃんかもしれませんね。。
あと、記事から話しは逸れますが、製造業とその輸出メインで経済が回復するって本気で信じている人って結構いるんですね。。そら景気は回復しませんわな。。
携帯からの悪文、失礼致しました。
投稿: へなちょこ技術者 | 2007.08.04 02:55
赤城農相が更迭された。テレビのニュース番組やワイドショーはここぞとばかり、ばんそこう姿の映像を繰り返し、安倍政権をお笑いネタにしている。安倍首相が「一から出直したらどうか」と赤城に迫り、辞表を書かせた話などが見てきたように書かれ(本当なんだろうけど)、赤城に言う前に、そりゃあ自分に向けて言う台詞だろうと世間の顰蹙を買って、またまた男を下げてしまった。安倍晋三のことを私は「おぼっちゃん」と評したが、KY「空気が読めない」という人物評が、あっちこっちから噴出していて、どうやらこの国の首相の定まった評価になりつつある状況だ。一国の総理と政権が、お笑いタレントのいじりネタになってしまったわけだから、それはそれでなんともやるせない話だ。自民党の広報サイドもたまらず、こうした状況を何とか打開しようと、広報活動の責任者である世耕補佐官が、テレビにのこのこ出演したのはいいが、逆に意味不明の自虐コメントを連発して自滅してしまった。自民党安倍政権では、既に広報機能が崩壊状況にあると考えざるをえない。森内閣や宇野内閣の末期を彷彿とさせる状況だ。
投稿: katoler | 2007.08.04 20:56
すべての道はおぼっちゃんへ通ずと言ったところか。始めに安倍総理のおぼっちゃん性ありき。一面的な事実を寄せ集め、それらを主観的に解釈して一方的に決めつける。同じ手法で小沢一郎のおぼっちゃん性の根拠をかき集めたらこれまたきりがない。だから小沢の出自に触れるに留めた。子供の喧嘩じゃあるまいし安倍小沢のおぼっちゃん度を対立軸にして何になる、と申し上げれば「安倍おぼっちゃん説」の信者が小沢はガキ大将タイプだと、脳はおぼっちゃんではないと言い出す始末。失われた10年から小泉・安倍政権までの劇的な経済情勢の変化ですら、その一面的事実だけを取り上げて 安倍おぼっちゃん説の正当性の道具として使う以上の関心を持てない有り様。
挙句の果てがこの国の首相の定まった評価がKYだという教祖様のありがたいお言葉。言いたい放題にも程がある。あっちこっちで噴出している評価だというが一体どこのあっちこっちなのか。あっちのねつ造朝日やあっちの死んだTBS、あっちの不祥事NHKにあっちの社民党、あっちの日教組とあっちの自治労、あっちの筑紫にあっちの鳥越etc.etc.・・・すべて「あっち」から恣意的に流されている評価ではないか。あっちこっちが聞いて呆れる。
まあ、熱くなるのはこれくらいにしておこう。
給湯室でOL達がする噂話、長屋のおかみさん達の井戸端会議、主婦達の立ち話。人の不幸は蜜の味、内容が事実かどうかは二の次だからこそ何にも増して楽しいひと時なのだという。
こちらを訪問して 私のような者が向きになって事実関係にこだわり口を挟むなど、おそらくこれ以上はないというくらいに野暮なことなのだろう。今更そのことに気づくとは、私こそ、KYとのそしりはまぬがれまい。甘んじて受けよう。
どうか皆様 幾久しく楽しい時をお過ごし下さいませ。
投稿: かかし | 2007.08.05 01:12
選挙に負けたのも事実だしね。
愚民を導くのが政治家でしょうに。
投稿: T2 | 2007.08.06 10:02
マーケティングを名乗るブログなんて得てしてこんなもんでしょう。イメージで人を操作したがるし みんなが右往左往するのを見て楽しむんですよ。これから日本は89年の参院選挙で自民が大敗したあとと同じになりますよ。政治が停滞して経済も混乱する。こんなにおもろいことはないんです。ワイドショー見れば出演者のわくわく感がもろに伝わってきますよ。
投稿: とらぶる | 2007.08.06 12:16
かかしさんに読んで頂けているかは分かりませんが。。。。
カトラーさんが、”おぼっちゃん”という比喩で公人である安倍さんを批評(からかう?)ことにはなんの違和感も有りません。
勿論、それに対して反論しようとするかかしさんの姿勢にも全然問題ないと思ってますよ。
で、再度の反論ですが、、私自身は(カトラーさんはどうか分かりませんが、、)、朝日だの毎日だのサヨクだのの言うことをそのまま鵜呑みにしてるわけでもないしましてや信奉しているわけでは有りません。
どちらかというと、
>一国の総理と政権が、お笑いタレントのいじりネタになってしまったわけだから、それはそれでなんともやるせない話だ。
と、情けない気持ちになっています。
ついでに言うと、私にはかかしさんの方がメディアの提示する情報を無批判に受け入れているように思えます。
>景気を支えている輸出、といとも簡単に仰るがこの「日本を支える輸出」を可能にしている企業群は、保護も既得権益の恩恵も無い過酷な自由競争の下に置かれていることをお忘れのようだ。
競争自体は資本主義なんだから当たり前ですよね。
問題なのは円安や低金利で製造業が過剰に優遇されてしまっていることであり、その為に本来は生産性が低く資本を市場から調達できないような、整理統合されてしかるべきような企業を生き残らせ、日本全体の生産性を低くしてしまっていることです。
また、本来潰れるべき銀行に公的資金をつぎ込んで生き延びさせています。
当たり前の話ですが、円安は国民の生活に厳しく、低金利になっても銀行が儲かるだけで貸し出される方の金利はなかなか下がってくれないんです。。
私が言っている程度のことなんて、自分で経済の教科書や雑誌、ネットを調べてきちんと自分の頭で考えれば簡単に分かることですよ。
勿論、公的部門の生産性が一番低く、大きな改革が必要だと思いますが、何も考えずにマスコミの尻馬に乗って、”とりあえず公務員を批判しとけばいいや”ってだけじゃなんにも解決しないと思いますよ。
相変わらずの悪文で失礼致します。。
投稿: へなちょこ技術者 | 2007.08.06 21:55
「なんにも解決しないと思いますよ。」、解決すべき問題があることには気付いておられるようだ。ただ、その理由と目的を整理できていないのではないか。
「競争自体は当たり前」、実に頼もしい。しかし円の高安に影響されないほど、つまり円高でも輸出が伸び続けるほど世界中の信頼を確保している高い技術力を持った製品を製造販売することは、決して当たり前に成し遂げられることではない。かつて斜陽といわれた産業が今では日本経済の主役である。リストラで企業が大復活できるなら日本の何倍も簡単にリストラが行えたアメリカの製造業が壊滅してしまったことの説明がつかない。自由競争の下で世界市場の信頼を獲得するための血のにじむような努力が成功に繋がった。
製造業の輸出だけで日本を支えればよいなどと申し上げた覚えは無い。そう考えているのなら改革が必要だなどとは言わない。
金融機関への公的資金投入や第一次産業への血税ばら撒きなどと、価格競争に巻き込まれている製造業が円安・低金利で延命していることとは根本的にまったく違う。
円安・低金利を製造業への優遇措置だとみる事実誤認が あなたを混乱させているのだと思う。円安・低金利という状態が日本にとって大きなマイナスであるのはあなたのご指摘の通りである。ただこの現象は一部の製造業が官僚や族議員を動かして起こしているのでもなければ アメリカの陰謀でもない。経済のメカニズムとしての現象である。今なぜ円安なのか。膨大な貿易黒字を出していて尚且つ海外からの受け取り金額も毎年伸びる一方だ。教科書どおりなら円高になるのが当たり前だ。
だが世界の金融市場はそう見ない。円安を読みきっている。原因は日米の金利格差にあることははっきりしている。金利差目当てに膨大な資金がアメリカへ渡っていく。その際円が売られドルが買われる。当然円安になる。金利の低い日本から高いアメリカに資金が移動する、誰にも止められない。
日本が金利を上げて日米の金利差を無くせばよいだけなのに政府は日銀の利上げにさえ反対する、マスコミはここまでしか報道しない、後はおバカな反米経済専門家がアメリカのハゲタカ、陰謀などと騒ぎ立てる。
実は日本政府も日銀もなすすべが無いのである。1000兆円の財政赤字を抱えたまま アメリカ並みに金利が上がってしまったらこの借金の金利返済の目途さえ立たない つまり破綻するということである。そのような事態を迎えてしまえば国民がどれほど苦しむことになるか、想像するだけで胸が痛む。
大改革を避けて通れないことは明らかではないか。小さな政府、財政再建、規制緩和、制度改革、最大の制度改革が憲法改正になるのだろう。
明治維新に匹敵するほどの改革になると言っても決して大袈裟ではない。日本に他の選択肢は残されていない。先送りも許されない。
これらのすべてに反対しているのが官僚をはじめとする血税に群がるハゲタカどもである。今更自由競争にさらされて血のにじむような努力などまっぴらご免といったったところか。官僚にしてみれば金づるを失いたくない、日本経済の主役たちは金づるになるどころか頭ひとつ下げないと思っている。すさまじい抵抗が安倍総理に襲い掛かるのは火を見るより明らかなことである。赤城の事務所費問題での陰険な動きなどまだまだ序の口だろう。選挙期間中に官僚が知り得た情報をマスコミにリークする。規制緩和の対象マスコミと官僚との見事な連係プレイだ。
だが下司の知恵はあくまで下種でしかない。
頑張れ、安倍首相。
投稿: かかし | 2007.08.08 11:40
カトラーVSかかしのコメント論戦ではかかしさんの勝ちだと思うが現実はカトラー氏の意見が大勢を占める。これは日本の社会がマスコミに支配されてしまっているからだろう。日本のマスコミは官僚と一緒で自分たちの既得権しか考えていない。自治労の元代表を努めた民主党議員に年金のことを質問したりしない。小沢代表が困ることも質問しない。
いよいよ北朝鮮みたいな国になってきたね。
投稿: マスコミ嫌い | 2007.08.08 20:45
日本の選挙が成熟しないのは新聞とテレビの怠慢に他ならないと私は思う。マスコミは多元的な考える材料を国民に提供すべきであって、彼らが考えた結論(朝日ような民主が勝つべき的アジりが目についたような・・・)を宣伝するツールであっては困ると思うのである。
自分で考える材料を探してここらあたりでコメントを記入している人々や、ネットウヨと呼ばれる人々の方が、まだ自民支持・民主支持者双方の主張を幅広く目にしているだろう。これからの世の中、権威をカサにきたマスメディアの言うことしか耳にできない人々が減らない限り、『ムードに流された選挙』は繰り返されるのではないでしょうか。
つくづく今回の選挙では、これだけネットが普及してもまだまだマスコミの力は強大だと実感いたしました。
投稿: マスコミ嫌い2 | 2007.08.12 19:32
もう、カトラーさんも無視してるみたいだし、これで最後にします。
>リストラで企業が大復活できるなら日本の何倍も簡単にリストラが行えたアメリカの製造業が壊滅してしまったことの説明がつかない。
アメリカは重厚長大産業から金融・サービス・ITへの産業構造の転換に成功し、その結果として長期の経済拡大を実現させています。さすがに現在は調整局面には入ってますが。。
製造業の衰退自体はその選択の結果と見るべきでしょう。
業種によっては全然壊滅してませんしね。。
>円安・低金利を製造業への優遇措置だとみる事実誤認が あなたを混乱させているのだと思う。
語弊があったのかもしれませんが、"優遇措置"だとは言ってませんよ。結果として、過剰に優遇され、円安・低金利に過剰に適応した産業構造になったと言っているのです。
債務残高についてですが、そんなことは以前から分かっているもんだいです。小泉さん(竹中さん)の時からの成長・改革路線の基本方針は、”成長率>金利”を維持し、債務残高の対GDP比を低下させていくことだったはずです。
ところが、ずっと言っていることですが、産業構造が過度に円安・低金利に依存した状態になっている為、海外の景気が悪くなると止まってしまう低くて脆弱な成長でしかない為、いつまで経っても金利は低いままです。
故に私には安部さんが”力強い””実感できる”成長というのが、勘違いか論理のすりかえのように感じられてしまいます。
追記:
以上、えらそうなことを書いてしまいましたが、では解決策は?と問われると正直良く分かりません。
移民、市場開放、外資の導入、勿論行財政改革等が有るのでしょうが、マスコミがこういった問題を取り上げてくれないので、まとまった意見、世論がなかなか見えてこないのでは、と考えています。
投稿: へなちょこ技術者 | 2007.08.13 12:54