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オバマの言葉を解読する ~<帝国>を志向するアメリカ~

Photo バラック・オバマが、第44代米国大統領に就任した。就任演説を聞いたが、よく練り込まれ考え抜かれた内容であり、しかも人々の心に届く強いメッセージ性をもった歴史に残る名演説だった。200万人にも達する聴衆が、水を打ったように静まりかえり、オバマ新大統領が発する言葉の一言一句を逃すまいと真剣に聞き入る姿には、政治家の言葉の力というものを深く考えさせられた。

私はバラック・オバマという政治家は、米国の神話の再建を託された巫女のような存在ではないかと考えている。「巫女」というと違和感があるかもしれないが、何もオバマが神がかっているといいいたいのではない。「神=共同体の無意識」と読みかえれば、オバマに渇望されているのは、ばらばらになった米国民の魂をもう一度結びあわせ(unite)、新しい国産(くにうみ)神話を紡ぎ出すための語り部(巫女)としての役割だ。

神がかっていたのは、オバマよりむしろブッシュの方だった。福音派と呼ばれるキリスト教原理主義に近い信仰を持つブッシュは、自らが経験した宗教的な再生体験(リボーン)のことを公言して憚らず、イラクとの戦争ではしばしば米国および同盟諸国の軍隊を「十字軍」になぞらえた。ブッシュは、大統領の父親(パパブッシュ)を持ち、米国のエリート富裕層の出身だが、どこか田舎の牧師のようなオーラが漂っており、それがアル・ゴアなどにはない人間的な魅力になっていた。9.11の同時多発テロによって崩壊したワールドトレードセンターの瓦礫の山に立って、老消防士の肩を抱き、メガホンを片手に「テロとの戦い」を宣言していた姿が印象的だったが、皮肉なことに9.11テロに米国全体が打ちひしがれていた、この時期がリーダーとしての絶頂期だった。

一国覇権主義ブッシュの限界と挫折

ブッシュの限界と挫折は、21世紀になって並ぶものがいない超大国となったにも関わらず、その覇権を背景に自国の論理を世界に押しつけることに終始し、国家の枠組みを超えた世界的なリーダーシップや理念を何ひとつ提出できなかったことにある。その結果、地球環境問題への対応では後手に回り、イラクとの戦争では単独行動主義に走り、無益な戦争を泥沼化させて更に孤立を深めた。経済面では、グローバル化と称して、米国流金融資本主義を世界に強要したまでは思い通りだったが、逆にグローバルマネーの奔流を御しきれずに自ら深刻な経済破綻を招いてしまった。
オバマは、ブッシュから引き継いだ、こうした負のカードをどのようにプラスに転じ、新たな国家戦略を描こうとしているのだろうか。

「さあ、この日を胸に刻もう。私たちが何者で、どれだけ遠く旅をしてきたかを。建国の年、最も寒い季節に、凍てついた川の岸辺で消えそうな焚き火をしながら、愛国者の小さな集団が身を寄せ合っていた。首都は放棄された。敵が進軍していた。雪は血で染まっていた。独立革命の行く末が最も疑問視されていたとき、建国の父は広く人々に次の言葉が読み聞かされるよう命じた。『将来の世界に語らせよう。厳寒の中、希望と美徳だけしか生き残れないとき、共通の危機にさらされて米全土が立ち上がったと』アメリカよ。共通の危機に直面したこの苦難の冬の中で、時代を超えたこの言葉を思い出そう」(就任演説より)

オバマの就任演説で最も印象に残ったのが、建国の父たちが祖国存亡の危機に直面した独立戦争時のこの逸話だ。オバマは、米国の歴史を旅(long journey)になぞらえ、その精神的な故郷、神話の原点を建国者たちのこの場面に置いた。あえて、建国の場面を呼び起こすことによってオバマが意図したのは、覇権国家としての米国の力やプレゼンスの根拠を美辞麗句で飾り立てることではなく、むしろそうしたものを超えて継続しうる普遍的な理念を米国民だけでなく、世界に向けて提示することだった。

ポストモダンの<帝国>をめざすアメリカ

51ydpbwa2tl__sl500_aa240_ オバマの演説は、アメリカ合衆国が単なる覇権国家ではなく、今後、ローマのような普遍的な<帝国>として振る舞っていくことを宣言したことを意味している。
ここでいう<帝国>とは、領土的野心をもって拡大をめざし、国民国家の延長上に存在している、いわゆる帝国主義的「帝国」ではなく、アントニオ・ネグリが言うところの、ポストモダンの資本主義世界が志向する政体、すなわち、軍事力、経済力、理念力(ソフトパワー)のそれぞれについて圧倒的な力を持ちながら、グローバルでフラット化された情報空間の中にあって、中心もなく外部もなく立ち現れてくる新しい統治形態のことをさす。

「帝国は脱中心的で、脱領土的な規則の装置であり、これは開かれた拡張するフロンティアの内側に世界の全体の領域を段階的に取り込んでいく」(アントニオ・ネグリ/マイケル・ハート「<帝国> 」)

<帝国>は、かつてのローマや中国のように第一に空間的な全体性、ボーダレスな世界が誕生することによって特徴づけられる。グローバル化、ネットワーク化された現代の<帝国>も、領土的、空間的境界を持たない。
第二の本質はその時間的な永続性だ。オバマが、米国の歴史を次世代に受け継がれていく「長い旅」になぞらえたように、米国という<帝国>の建国の理念の普遍性と永続性がそこでは強調されている。未来永劫、世代を通じて受け継がれていく連続性を聴衆に思い起こさせている。そして、第三の特徴は、他者の存在を容認する共生主義だ。かつてのローマ帝国は、敵国を征服すると、今度はその国を対等なパートナーとして扱い、自国のヒエラルキーに組み込まず自治を認めることによってパックス・ロマーナ(ローマの平和)を実現したように、オバマは、今回の演説でブッシュのような単独行動主義をとるのではなく共生に向けて舵を切り、イスラム世界に対しても「共通の利益と相互の尊敬に基づき、新たな道を模索する」ことを呼びかけた。

「大国の首都から、私の父が生まれた小さな村まで、今日、この式典を見ている他国の人々や外国政府の皆さんに知ってほしい。米国は将来の平和と尊厳を求める全ての国家、男性、女性、子供の友人であり、再び主導する役割を果たす用意があることを。なぜなら私たちの多様性という遺産は、強みであり、弱点ではないからだ」(就任演説より)

「多様性という遺産は、強みであり、弱点ではない」というオバマの言葉は、これからの米国が孤立した超大国としてではなく、<帝国>として振る舞っていくことを宣言しているのと同義である。
このことに関連していえば、オバマを「初の黒人大統領」と表現しているメディアが多いが、これは明らかに誤りである。オバマは、黒人の父親と白人の母親の間に誕生した「アフリカ系アメリカ人」の大統領であり、「混血」であることがその出自の本質だ。混血ということは、鳥なのか動物なのかわからない蝙蝠のような存在であるということで、オバマも自伝の中で、青年期まで、どっちつかずのアイデンティティを抱え、狭苦しい世界でしか生きられないという悩みを持って育ったといっている。しかし、「黒人でもない、白人でもない」混血という出自を弱みではなく逆に強みにして、オバマは米国大統領の座まで駆け上がった。これからのオバマ政治を読む上で重要なキーワードは、「越境(Trans-)」であり、国境(Trans-national)、性別(Trans-gender)、人種(Trans-ethnic)あらゆる二項対立を超えていくことがオバマに求められ、オバマ自身もそのことを明確に意識している。

「私たちが今日問わなくてはならないのは、政府が大きすぎるか小さすぎる、ではなく、それが機能するかどうかだ・・・・市場が良い力なのか悪い力なのかも、問われていることではない。富を生み出し、自由を広めるという市場の力は、比類なきものだ」(就任演説より)

「我々がこういう話をしている最中にも、我々を分断させようと準備を進めている人たちがいます。・・・そこで、私は今夜、彼らにこういいます。リベラルなアメリカも保守的なアメリカもありはしない、黒人のアメリカも白人のアメリカもラテン系のアメリカもアジア系のアメリカもありはしない、あるのはアメリカ合衆国なのだと。」(2004年民主党大会基調演説より)

分断され、疲弊したアメリカの再生という重い使命を背負って、オバマという稀有な指導者が米国に誕生した。オバマの言葉は、米国を変えつつある。ここまで、見てきたように、米国は、今後、<帝国>として振る舞うことで、世界にリーダーシップを発揮していくことを望むだろう。我々、日本人は、合衆国にオバマという稀有なリーダーが誕生して、少なくとも彼らが内向きにはならないという宣言をしたことにまずは安堵すべきかもしれない。
しかし、中期的には米国の力は相対的に弱まっていき、世界は多極化に向かうだろう。<帝国>の時代とは、米国も含めたいくつかの<帝国>が地球上に誕生し、そこを軸に世界が回っていくことを意味する。

米国、EU、中国、インドが次の<帝国>となる

そして、その<帝国>とは、米国、EU、中国、インドである。
日本はどうなんだ?といわれそうだが、残念ながら、日本が今のところ世界第2位の経済大国だからと言って、<帝国>化することは不可能だろう。<帝国>の条件を思い起こしてほしい。軍事力、経済力、そしてソフトパワーを持ち合わせ、世界に向かって自らを開く姿勢、内に向かっては多様性を認める態度が不可欠だ。支持率19%、部落差別主義者のこの国の宰相が、オバマ米国大統領に伍して何かまともな言葉を発することができるとはとても思えない。ましてや<帝国>なんて思いもよらぬことだろう。世界と国民に向けて発信する理念などとは、端から縁のない政治家なのだからどうしようもない、といったら本当に身も蓋もないが、有権者としては、一日も早く政権選択の選挙を実現させて、こんなゾンビ政権の息の根を止めてしまうことが必要だろう。

41hocmq8gcl__sl500_aa240_ それにしても、今の日本の内向き志向には、本当に嫌気がさすのを通り越して、空恐ろしくなる。
先のエントリー記事で取り上げた、中谷巌なども内向き志向の典型だ。この本については最近の新聞書評などでも結構取り上げられているが、こんな駄本を有り難がっている連中の気が知れない。私のブログを見て、買うのを止めにしたという方もいらっしゃるようなので、少しはこのブログも役に立っているというものだが、こんな本を買うくらいなら、私としては別の経済本をお薦めする。

それは、水野和夫氏の「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか 」である。中谷の本とは比べものにならないしっかりとした内容の著作である。
数字をいじくり回すだけでわかったようなことを言っている似非エコノミストと違って、水野氏はきちんとした世界観をもって経済の動きを見ている。現在の世界経済の混乱と破綻は、グローバル経済が国民国家経済を凌駕し、そのパラダイムシフトによる軋轢がもたらしたとものという基本視座に立っており、中谷のようなナイーブな「米国流批判→日本礼賛」に陥っておらず、冷静に世界経済の構造とその中における日本経済の在りようを分析している。そして、米国、EU、中国、インド、ロシアなどが今後の世界経済の中軸、<帝国>化していくことを示唆している。
私の今回のエントリー記事が、<帝国>リーダー論だとすれば、水野氏の本は<帝国>経済論といってもいい。ぜひ一読されることをお薦めする。

(カトラー)

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コメント

カトラーさん、今晩は。 

オバマの聡明さに関しては多くの人が語っています。 なかでも私の印象に残っているのはCharlie RoseとLawrence Lessigの会話の中で、90年代前半に当時シカゴ大学のLaw Schoolで教鞭をとっていたLessigが生徒の一人から憲法学を教えている新人(オバマ、ちなみにLessigと同い年)の講義が面白いとの噂を聞きつけ、お忍びで彼の講義を聴きにいった時、そのレベルの高さに顎が落ち彼の偉大な将来への予感に思わず嫉妬してしまったという逸話です。

ただやはりオバマの真骨頂は、彼の頭の良さよりも誰に対してもどの国に対しても扉を閉めない柔軟性とidentity politics(例えば黒人大統領であるとかリベラルであるとか)を嫌う多様性だと思います。

電話会談後の麻生首相のオバマの印象はというと「なかなかオーソドックスな英語を話すのには感心した」だと、、、、、、もう絶句っす。

投稿: KC | 2009.01.29 22:07

オバマは筋金入りのリベラリストです。

投稿: | 2009.02.07 10:59

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