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楽天、三木谷社長からのメール:医薬品のネット販売規制に反対する!

楽天の三木谷社長から、以下のようなメールが届いた。

Photo 「楽天の三木谷です。平素は格別のご高配賜り厚く御礼申しあげます。
今までの私の楽天人生において出会うことのできた方々に今の私の考えをどうしてもお伝えしたく、メールを書かせていただきました。長文にはなりますが、ぜひご一読ください。

 

数多くのメディアにて取り上げられておりますが、この度、厚生労働省は一般用医薬品の通信販売(ネット販売を含む)を今年の 6月から大幅に制限する省令を公布しました。

7日付けの日本経済新聞や8日付の朝日新聞の社説では、この改正を痛烈に批判しており、まったく国民不在の行政であるばかりではなく、省令の実効性にも疑問を感じております。

 また、ネットにてなんとか食い扶持を保っている地方の薬局だけではなく、伝統薬をはじめ通販に頼っている事業者は数多く廃業に追い込まれるはずです。
このようなことを十分な議論もなく、どちらかというと規制推進派だけの検討会の議論だけでやってしまおうとすることに大きな憤りと疑問を感じています。

現在、通信販売継続のための署名活動をヤフー株式会社とともに行っており、累計で”33万人”以上の署名(速報値)が寄せられております。厚生労働省に対して、寄せられた署名を届けるとともに、一般用医薬品の安全な販売環境整備に関する議論をしっかりと行ったうえで、販売継続を可能とするよう働きかけてまいりました。それが一切反映されないままの公布となったことは残念でなりません。

規制改革会議でも省令案の段階で、このような法律に基づかない規制は違法性もあると指摘しているにも関わらず、十分な議論のないままに押し切る形での厚生労働省の進め方に疑問も感じています。

検討会の設置と検討結果によっては省令を再び見直す可能性もあると舛添大臣は言及されています。しかしながら検討会の委員の19人中15人が今回の省令案のもととなった報告書をまとめたメンバー(後任者を含む)であり、建設的に議論をしていこうという姿勢がみえづらいとも感じています。

このため、更なる署名を集め、6月の施行までに再改正するよう働きかけていきたいと考えています。

また、本件は単なる薬事の問題だけではなく、このような規制を認めてしまうと次々に同様な規制をかけることを容認してしまい、日本の将来に大きな禍根を残してしまうと考えております。

ご賛同いただける場合は、ぜひご署名を賜りたいと考えております。またさらにはご家族やご友人、従業員・職場の皆さまにもぜひご協力をいただきたく、このメールをフォワードしていただくなど、ご案内いただけますと幸いでございます。

皆様のご理解・ご協力のほどいただきたく、何卒署名のご協力をお願い申し上げます。
http://event.rakuten.co.jp/medicine/net_signature/

2009年2月09日

楽天株式会社代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史」

厚生労働省がネットでの医薬品販売規制を進めていることについては、このブログでも昨年の段階で詳しく取り上げたことがある。
その中でもふれたが、この規制の根底には、並行して厚労省が創設しようとしている「医薬品の販売資格制度」の問題あることを見逃してはならない。

ポイントは、販売資格制度の導入の前提として医薬品の販売が原則「対面販売」が義務づけられること、そして、この新たに創設される販売資格制度の検定試験を受けて販売資格を取得した「販売士」がいれば、薬剤師のいないコンビニやスーパーでも、医薬品を対面販売できるようになることだ。

一方、現在、薬剤師や薬局がインターネットを通じて医薬品を販売している行為は「対面販売」には当たらないという理由から、取り止めさせるということになっている。現実に何の問題も発生していない民間の取引行為を一方的に規制しようというのだから、自由主義経済の下ではありえないトンデモない政策である。
しかも、三木谷氏も指摘しているように、改正薬事法のどこを読んでもネット販売を禁止するなどとは書かれていない。国会のチェックもないまま、厚労省の役人の恣意的な判断によってこうした運用がされようとしているのである。
日経、朝日といった大新聞からもこの問題について過剰規制であると批判の声が上がっているが、何故、厚労省がこうした馬鹿げた政策をやろうとしているかについてはどこも指摘していない。

厚労省が過剰規制を進める思惑

厚労省がネット販売を規制したがる理由は明らかである。ネットでの販売を現状のままにしていては、創設しようとしている販売資格制度が形骸化してしまい、検定試験の受験者も減り、自分たちの天下り先のうまみが半減してしまうという恐れを感じているからだ。
思い起こせば、外郭団体を通じて検定資格制度を立ち上げるという同じような手口で他の役所でも天下り先の受け皿が作られ続けてきた経緯がある。
旧大蔵省時代のFP(フィナンシャルプランナー)、経済産業省のITコーディネーターなどがそれにあたり、いずれも検定制度をでっちあげて、収益事業化させることで天下り先にしている。最近、「漢検(漢字検定)」で有名な漢字検定協会が、財団法人であるにもかかわらず儲けすぎていると目をつけられて、監督元の文科省が査察に入ったことが報じられたが、これは、文科省からの天下りをもっと引き受けていれば、こんなことにならなかったということを示すための見せしめだったともいわれている。

規制に対して反対の声を上げることは、ともすると業界エゴと捉えられがちだが、医薬品のネット販売規制について、そもそも動機が不純なのは厚労省の方である。長年、何の問題もなく行われてきた薬剤師による医薬品のネット販売を法律的な根拠もなく、止めさせるというからには、国民が納得しうる理由を説明するのが当然なのに、これまで何一つ明確な根拠を示してこなかった。

つまるところ厚労省の役人たちは、国民の健康を守るという題目の下、薬害被害者の消費者団体まで引っぱり出して「規制」に向けた世論形成を画策しているということだ。

国民の健康を人質にして省益をはかろうとしているこんな小役人連中の思惑にまんまと乗せられてはならない。

(カトラー)

関連記事:医薬品がネットで買えなくなる?~厚労省が進める「過剰規制」の深層~

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コメント

あたかも楽天の三木谷社長は、ネットビジネスの救世主のように扱われているが、実際は、上前を跳ねるヤクザと変わらないような気がしてならない。楽天に加盟する全ての小売業者が互いに醜い価格を繰り広げたとしても、親分である三木谷社長の懐には一定の上前が入ってくることは変わりない事実は誰も指摘をしないのはなぜだろう?

マスメディアが駄目だとしても、ソーシャルメディアといわれるネットのブロガーたちがそれを語らないのはなぜだろう?

少しでも分別のつく大人であれば、楽天市場の多くの店舗が実践しているよな紙芝居のように画像を多用したマルチ商法のようなWebサイトに違和感を覚えるのではないだろうか?楽天が日本の未来を変えるようなビジョンをもった会社ならば、ああいうページを大量発生させたりはしないのではないだろうか?と疑いはしないのだろうか?上前の金額を増やすために、限定や人気をうたい文句に閲覧者を煽るやり方は、オープンやフラットといったネットの自由とはかけ離れているのでないだろうか?

今回の薬事法改正というのは、近年続いてきた規制緩和と共に崩れてきた過去を振り返る良い切っ掛けなるのではないだろうか?大規模店舗の出店に関わる規制緩和はどうだった?酒類の販売に関わる規制緩和はどうだった?研修医が病院を自由選択できる規制緩和はどうだった?

ただの規制緩和、問題ないからやってみた。の連続で日本の未来は明るくなったのだろうか?胸に手を当てて考えてみれば答えは簡単である。

永田町の有識者会議や諮問委員会に出席できるような上場企業である強きは得をして、一般的に社会で体を貼って商売をしている人間たちは、憔悴しつづけているだけではないだろうか?

大切なのは何か?
規制緩和ではなく。社会ルールの再定義。規制を見直すことである。

今回の薬事法改正について、ヤフーや楽天は伝統薬をプロパガンダのヒーローとして利用しているが、伝統薬とインターネット企業を一律に考えるのはなく、切り離して再定義をしてみる必要はないのだろうか?

地方の薬局がつぶれたとしても、街の風景として知識と経験と人徳をもとに裸一貫で小さな薬屋を起こすチャンスが少しでも残る法律を選ぶか、薬剤師を一人だけ雇って激安通販をする現金問屋が全国の薬屋を食いつぶすまでの死闘を肯定するか。

物事は安いにこしたことはないが、体を張って頑張っている、街の中小企業を食いつぶしているのが、激安価格破壊の殿堂楽天市場と、正規ルート以外の品を匿名出品できるヤフーオークションなのだということを、多くの内容をほとんどのコンサルタントやブロガーが書かない事に落胆をしている。

今回の署名運動は、インテリくずれの一部のクレバーな人間たちが、消費者を先導してろくでもない前例を作り出そうとしている気がしてならない。

常にある消費者が自分たちの未来を選ぶチャンスなのだと、何人が気がつけるのかが、これからの日本を左右するのだと思う。

投稿: Tsukiji | 2009.02.28 00:51

個々の人間が営むコミュニティとしての社会を安全、安心なものとして維持していきたいものです。そのための制度設計には、個々の人間が営む経済、生活を含め社会全体をよく俯瞰した上で、個々の事象を細かく分析した上で行われるべきだと思います。

Tatsujiさんのコメントにある、
「ただの規制緩和、問題ないからやってみた。」

確かにその通りのように見えます。制度設計をする上で、どこまで漏れなく、その影響度を検討したのか、・・・叶うものならレビューをしてもらいたいです。確かに薬の危険性を十分説明した上で販売することは大切と思えますが、新制度によって、ネット販売してきた人たちが被る影響も十分に考察する必要があると思います。

新たな制度設計に対して、社会的な影響を合理的に数字や根拠、歴史的な経緯や事例、政府側が考えた推論、予測などをあげて理由を説明されれば、ネット企業も、個人商店主などの発言力の乏しい人たちも双方の納得感が高まるのではないでしょうか。予想外の影響がでてくるのは、ある程度は仕方がないと思います。

政府は国民の代表であるとの意識を強くもってらいたいです。政府の説明責任の能力、質が強く問われていると思います。

投稿: なかみ | 2009.02.28 10:42

そもそも、議論が続いている段階でともかく施行、不具合があれば後から対応するとか言っていますが。
何故ここまで拙速を焦るかという点は不自然としか思えません。不具合があるかもしれないが、ともかく先に施行というのは合理性がない。
どうせ、箱物大型工事と一緒で動き出せば止められないと踏んでいるのでしょう。

投稿: Gl17 | 2009.03.03 22:06

ネットによる医薬品販売規制は単なる業界に対する規制だけでないと思います。ネット販売の影には、医療用医薬品や怪しげなバイアグラ類似品の精力増進剤など健康に影響を及ぼし兼ねないものや、青少年に睡眠薬を提供したり正規の販売以外の行為をするものがあとを絶たないからだと思います。もし、副作用が出たときには誰が責任を取るのかもー明確にしてからでも遅くないと思います。幸い一般用医薬品での副作用は殆どないでしょうが、ダイエット用医薬品や健康食品などと称して副作用があとを絶たないのも事実だと思います。
 一般用医薬品のネット販売や通信販売については、余り懸念をしておりません。しかし、その影の行為が怖いからです。

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