トヨタ“シロ裁定”に潜む、TPPの罠に覚醒せよ

「娘もトヨタ車買った」 米運輸長官、厳しい攻撃から一転、安全宣言
ラフード米運輸長官は8日の記者会見で「娘もトヨタ自動車の車を買った」と述べ、安全性にお墨付きを与えた。1年前は議会で「運転をやめるべきだ」と話すなど厳しいトヨタ攻撃で物議を醸しただけに、この日の会見は“安全運転”に徹した。(
MSN産経ニュース

米運輸当局がこれまでの強硬姿勢を一転させて、「トヨタ車の電子制御システムに問題はない」とする最終的な“シロ裁定”を出した。トヨタ攻撃の急先鋒だったラフード米運輸長官は記者会見で、自分の娘からトヨタ車を買いたいといわれ、「トヨタ車は安全だ」と自らがお墨付きを与えた話などを披露し、これまでの態度を一変させてトヨタ車を持ち上げて見せた。

米国側がこうした異常とも思えるリップサービスを行っているのは、トヨタ車に対する過去の行き過ぎたバッシングの罪滅ぼしということではなく、この1年間で日米政府およびトヨタのような日本を代表する輸出産業との間で何らかの合意、握りが取り交わされたことを物語っている。その見返りが、今回のラフード運輸長官のリップサービスに見られる、米国市場におけるトヨタの信用回復というわけだ。

一転、トヨタの信用回復に動いた米国の意図

そして、日米政府そして日本の輸出産業の間で取引された、その合意、握りとは何かといえば、日本のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加に他ならない。以下に、2009年以降の動きを中心にトヨタリコール問題とTPPの動向を比較できる年表(クリックすると拡大します)を作成したが、これをあらためて眺めると、この2つのテーマが正に不即不離の形で進展してきたことが見えてくる。

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そもそも米国のオバマ政権が、TPPへの参加を表明した背景には、リーマンショック以降の苦境が続く米国経済の立て直しを図るために打ち出した「輸出倍増計画」にある。これは、米国からの輸出を倍増させて、貿易不均衡の解消と国内産業の活性化および雇用の確保を目標に、昨年1月のオバマ大統領の一般教書演説で述べられたものだが、大方は、その実現性を危ぶんだ。景気低迷の中にあっても、米国が現在でも世界一の内需・消費大国であることに変わりはない。その米国が一転して、モノを売る方に回るというわけだが、世界中で一体どこの国が米国製品の買い手となり得るのか。

急速な経済成長で確かに中国などアジア新興国の購買力は高まっているとはいえ、今の新興国市場が米国製品の輸出倍増の受け皿になるとはとても考えられない。例えばアップル社の製品のほとんどが中国、台湾のEMSで製造されているように、そもそも米国製造業の製造拠点の海外移転が限界まで進んでおり、今更、製品輸出に貢献する産業を国内に見つけようと思っても難しい状況だ。

また、中国に関しては、中国人民元の固定為替レートを保持している限りは、TPPのような包括的な枠組みに参加すること自体が不可能だ。となると、米国製品の受け入れ先として残る標的は日本だけである。

TPP加入は実質、関税自主権の放棄

京都大学の中野剛志准教授が指摘しているように、TPPとは、米国が輸出倍増計画のもと日本を標的に打ち出した通商貿易戦略に他ならない。中野准教授も指摘しているように、TPPに加入を表明している国のGDPシェアを比較してみれば、そのことは一目瞭然で、「米国が7割、日本が2割強、豪州が5%で残りの7カ国が5%。これは実質、日米の自由貿易協定(FTA)」(中野剛志准教授)に他ならない。

ただし、FTA(自由貿易協定)であれば、2国間で関税品目等を協議して決められるが、TPPの場合は、2015年までに原則全ての関税をゼロにすることを前提としているわけだから、これは実質的な関税自主権の放棄に等しい。逆にいえば米国側の関税も取り払われるわけだから、自動車のような日本の工業製品を売り込み易くなるという見方もできる。しかし、米国も含め各国が通貨安競争に走る傾向が強い現在のような世界経済の下では、そうした希望的観測は全て裏切られることになるだろう。トヨタ車の信用が地に墜ちて販売台数が激減するのを尻目に、米国市場で大幅にシェアを伸ばしたのは韓国ヒュンダイだが、トヨタの信用失墜もさることながらウォン安の追い風を受けたことが大きく働いた。
要するに凋落したGMに代わって世界一の自動車メーカーになったトヨタを、米国は、円高と技術欠陥デマを流布することで完膚無きまでに恫喝し屈服させたのだ。

かくして、トヨタのようなグローバル輸出企業にとって残された選択は現地化である。米国市場ではトヨタに先行して現地化を進めているホンダの現地化比率が実に70%に達している。米国が今回のトヨタのリコール問題への対応を通じて発しているのは、「トヨタも米国内で車を売りたいのなら、ホンダのようにもっと現地化を推し進め、工場もヒトも米国内で調達しろ」というメッセージなのだ。

米国のターゲットは農産品、医薬・医療、金融

一方、TPPという万能鍵を得た米国は、虎視眈々と日本市場をこじ開ける機会を狙っている。そのターゲットは、農産品、医薬品・医療サービス、そして金融である。中でも農産品はTPP加入の人身御供として差し出されるといっても過言ではなく、既に日本のメディアでは、国内産業の就業者比率で5%、GDPに占める比率では1.5%に過ぎない農林水産業が抵抗勢力になって「第三の開国」を阻み、日本の輸出産業の足を引っ張るのかというナイーブな論調が支配的になりつつある。

確かに、日本の農林水産業には抜本的な構造改革が必要だ。しかし、それは日本側の事情と戦略に基づいて進められるべきだ。

仮にTPPが導入され2015年までに農産品の関税障壁が取り払われたら、大規模化が進んでいるといわれる北海道等の農業生産者であっても全く太刀打ちできず、壊滅的な打撃を受けるだろう。TPP議論に関しては、小泉政権時代の構造改革論者や経済学者までが勢いづいて、米国の外圧を利用して構造改革や規制撤廃を進めるチャンスというようなことを言い出しているが、そんな与太話には間違っても乗ってはいけない。繰り返していうが、TPPとは米国製品を日本に買わせるために仕組まれた米国の戦略であり、相手の戦略に乗っかって自国民を利することなどできるはずがないからだ。

現地化とTPP支持の見返りだったトヨタの信用回復?

もう一度、私が作った年表に戻ってほしい。
管首相がTPP加入検討を言い出したのが昨年の10月、そのわずか1ヶ月後に開催されたAPECでは、オバマ米大統領を議長とするTPPの枠組みが実質的に決められた。この時点で日本の輸出産業のTPP参加の支持とトヨタの米国市場での信用回復までのシナリオがほぼ決定されたと見ていいだろう。

トヨタは米国における更なる現地化の推進、そして日本国内においてはTPP参加支持に回ることを前提に米国内での信用回復という企業として大きな見返りを得た。一方、管直人率いる現政権は、国内輸出産業や経団連等の財界、経済団体からの支持を得られという見通しから、米国追従という、かつて辿った道に再び舞い戻り「第三の開国」を言い出したのだ。
ちなみに「第三の開国」とは、私がこのブログで3年前に言い出した(関連記事参照)ことである。管首相が私のブログを読んでそのキーワードをパクったのかどうかは知るよしもないが、言っていることの中味は全く異なる。私が主張した「第三の開国」とは、移民の受け入れも含めてアジアに向かって国を開くことを意味しており、管の言うように米国の前に三度ひれ伏すことではない。

管直人「第三の開国」の虚妄

先週まで出張で北海道の人々と仕事をしていたが、地元はTPP加入問題で相当ピリピリしていた。北海道の農林水産業の命運がこの問題には絡んでいるわけだから無理もないことだ。もし、TPPが発動されたら北海道は独立すべしと私は言っている。
リンゴ、さくらんぼ、牛肉とこれまでも農産物自由化の波はあったが日本の農産品は生き残ってきた、だから今回も何とかなるはずで、反対しているのは、農協だけだというナイーブな議論を展開する経済学者もいるが、彼らは北海道の農業の現場の声を一度でも聞いたことがあるのか。
TPPで標的になるのは、米や大豆、とうもろこしといった主要農産物である。リンゴやさくらんぼといった高付加価値化が可能な嗜好作物ではない。
北海道は、遺伝子組み換え作物の導入を拒否する決議を行っているが、TPP加入によって、先ず米国が標的にするのは、このあたりになるのではないか。関税障壁を無くし防御手段を喪失させ、格安な米国の農産物が怒濤のように押し寄せてくることに恐怖を抱いた日本の農業生産者に対して、遺伝子組み換え作物の種苗を採用するか、米国からの価格破壊の農作物輸出を受け入れるかの二者択一を迫るのだ。

当然、北海道の農民としては、米国農産物の価格破壊により壊滅させられるより、遺伝子組み換え作物の受け入れに踏み切るしかなくなるだろう。米国は国策会社のモンサント社を通じて食料資源戦略を世界的に発動しており、その基本戦略が遺伝子組み換え作物の世界的な普及推進である。米国モンサント社は、ベトナム戦争で悪名高い枯れ葉剤を製造していた化学会社で、その後は農薬を製造していたが、チマチマ農薬を造っているより、その農薬に耐性のある遺伝子組み換えの種苗を生産する方が百倍儲かると現在のような企業に様変わりした。しかし、この会社は、私にいわせれば人類史に残る極悪な企業だ。

何が極悪かといえば、遺伝子組み換え種子の知財権を握り、世界中の農民を支配・搾取し、食料を米国の覇権構築の手段にすることを明確に意図しているからだ。しかも、その意図を実現するために、自社の種苗の安全性は確認されているとし、自然界の作物が持っている遺伝子を汚染することを厭わない。ブラジルのように遺伝子組み換え作物を拒否していた国に対しては秘密裏に遺伝子組み換えトウモロコシを密輸してばらまき、在来種の遺伝子を汚染させ遺伝子組み換え作物を既成事実化させるというようなあくどい所業を行っている。

TPPが発動されれば、北海道の大地は、こうしたモンサントのような企業に蹂躙されてしまうだろう。管直人は、日本の土と作物を汚染させた文字通り「売国奴」として末代まで糾弾されることになる。

(カトラー Twitter:  @katoler_genron

関連記事:第三の開国へ、内向きの日本志向、情緒的な鎖国主義を排せ!

関連記事:食料危機の深層~モンサントの食料支配の野望~

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蒼井そら(苍井空)の闘いと中国の怒れる若者たち

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中国の男性に圧倒的な人気を誇っているセクシータレントの蒼井そらが、自身の誕生日である11日に中国のポータルサイト、新浪(sina.com)でミニブログを開設し、1日で20万を超えるフォローを獲得した。ファンの反応などを鳳凰網が伝えた。(searchinaより

 日本のAV女優「蒼井そら」(苍井空)が中国全土の若者たちの心をつかみブレイクしている。
自身の誕生日にあたる11月11日に中国のポータルサイト新浪(sina.com)でミニブログ(中国版Twitterサービス)を開設したところ1日で20万人ものフォロアーが殺到した。
中国では、蒼井そらをはじめ日本のAV女優の海賊版DVDが大量に出回っていて、若者たちの間では蒼井そらはセクシーアイコンとして絶大な人気を博していたようだ。
彼女のミニブログのフォロアーは、既に76万人に達しており、その人気を裏付けるとともに、最近の中国における社会現象のひとつとして取り上げられるまでになった。

カマトトぶるわけではないが、私は「蒼井そら」という女優のことを全く知らなかった。アダルトビデオ、DVDも見たことがなく、アダルト系といえば日活ロマンポルノの時代で思考停止しているような状態だったので、上海生まれの中国の知人から蒼井そら(苍井空)の中国での人気について聞かされた時には、誰のことを言っているのか見当がつかなかった。

蒼井そらのミニブログに中国の若者が殺到

 その話を聞いた後、遅まきながら彼女が出演しているAV作品をiPadにダウンロードして見たり、You tube上のインタビューや著書を読んでとても興味を持った。
というのも、蒼井そらというAV女優が、それまで私がアダルト系の女性タレントに対して持っていたイメージとは大きくかけ離れていたところに存在していたからだ。
例えば、亡くなった飯島愛などが、私にとってアダルト系タレントのイメージの原型だ。飯島愛は、過去において複雑な家庭環境や非行の経験などを持ち、コンプレックスや心の傷を抱きながらも逞しく生きていた。私はそうした飯島愛の陰影半ばしたタレントが好きだったが、蒼井そらからはそうした飯島愛が抱えていた傷のようなものや暗さが見えてこない。

彼女の著書「ぶっちゃけ蒼井そら 」(ベスト新書)を読むと、彼女を突き動かしていたものは、飯島愛が持っていたような「過去の傷や影」ではなく、ある種の「空しさ」であったことがわかる。

 蒼井そらは、その著書の中で「うちはお金持ちでも貧乏でもなかった」と述べているようにごく一般的な家庭で両親の愛情を受けて育ち、公立の普通の高校生として青春を送り、卒業後は短大に進んで保育士の資格を取る。そのまま、保育士になれば、結婚して主婦となり子供を持ち普通の人生を送ったことになったのだろうが、渋谷でスカウトされたことをきっかけにAVの世界に飛び込んでしまう。

彼女の場合は、他のAV女優のように風俗などの仕事を経て、ずるずるとAVの世界に引きずりこまれたのではなく、普通の生活から決心して、一気にあちら(AV)の世界に飛び込んでいる。彼女を跳躍させたものは何なのかと考えてみると、それは、普通の人生を送ることへの嫌悪、空しさであったのではないかと思う。

普通の人生を送ることへの空しさ

若者には、普通の人生を嫌悪し、拒否する権利があると思う。
私自身も含め、かつて若者だった親たちの世代が、「普通で真面目な人生」を送ってきたことを否定するつもりはないが、それは、時代がそうさせたことでしかないとも思っている。

今の親たちが若者だった頃は、この時代の若者たちが置かれている時代とは違って、社会全体が成長・変化していたことで、未来に対する期待や希望が確かに存在していた。しかし、蒼井そらのように、幼年時代を「失われた10年」に育った世代の若者たちには、社会というものは大きな壁のような存在にしか見えないだろう。その内側で生きている限りはそこそこの人生は保障されるかもしれないが、壁の外側の世界は見えない。その壁の外側の世界に出てみたいと思い、それが蒼井そらの場合は、たまたまAV業界だったに過ぎない。

蒼井そらは、初めてのAV作品の収録を終えた後、母親にAV女優になる決心を打ち明ける。

「母の目は赤くなっている。でも母も泣いていない。『そう・・・わかった。ジュン(蒼井そらの本名)ちゃんは昔からやると言ったら聞かないもんね。でも必ず最後までやる子だもんね』・・・母は『賛成はしないけれど応援はする』といってくれた」(「ぶっちゃけ蒼井そら 」より)

AV女優になることを賛成はしないが応援する

 長じた娘を持つ同じ親として、私だったら蒼井そらの両親のような言葉はとても吐けなかっただろう。しかし、あえて繰り返せば、若者には、親の世代が認めた普通の生き方を拒否する権利がある。中国風にいえば、「造反有理」だ。

蒼井そらが心に抱え、彼女自身を壁の外側の世界(AV)へと跳躍させたもの、それは、彼女のフォロアーとなった中国の70万の若者たちも同じよう共有している閉塞感、空しさではなかったか?
高度成長期の日本のように発展著しい中国と閉塞感や空しさは無縁のものと思うかもしれないが、実態は逆だ。共産党幹部にコネを持っている連中、苛酷な弱肉強食の生存競争を勝ち抜いて海外に留学したり、不動産などを取得した一握りのエリート層や富裕層を除けば、大半の中国の若者にとって未来は閉ざされたままである。

そのことを端的に表しているが、最近の不動産価格の高騰である。中国では2000年から住宅取得ブームが続いてきたが、不動産価格の上昇とともに経済も成長しているので、バブルとは考えられていなかった。しかし、リーマンショック後の世界的な景気後退の中で、中国政府が金融緩和に動いたことから、2009年から上海の不動産価格は急騰し、住宅は一般勤労者が一生かかっても取得できない高嶺の花となってしまった。

 今、上海の女性たちが結婚相手を選ぶ最優先の条件は、相手が住宅を持っているかどうかだという。国の経済規模は拡大しているがその恩恵を得られないばかりか、チャイナドリームが蜃気楼のように目の前から遠ざかっていく繁栄の中での空しさ、閉塞感を今の中国の若者たちは苦々しく受け止めているのだ。そして、彼らのその空しさが、海を越えて日本の平成のセクシーアイドル、蒼井そらの抱いていた空しさと共鳴している。

蒼井そら(苍井空)の「空」に共鳴する中国の若者

蒼井そらは、中国のメディアのインタビューに答えて、「AVという仕事を職業として認めさせたい。AVに対して偏見を持っている人たちに制作現場の人たちのプロ意識や真剣さを伝えたい」と述べている。敵が誰だかわからない高度にシステム化されてしまったこの国において、蒼井そらは、誹謗中傷が渦巻くAVの世界にあえて身を置くことで、闘う相手を見つけたのかもしれない。

私は夢想する。いつの日か天安門広場で渦巻く反日デモの若者たちの先頭に蒼井そらが立ちはだかり、中国の若者たちに呼びかける「造反有理!」と。しかし、その旗印に掲げられるのは、「反日」ではなく、「空」の一文字だ。

(カトラー Twitter: @katoler_genron )

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鳩山退陣の深層と崩壊した東アジア共同体構想

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鳩山首相が退陣した。
辞任を表明した両院議員総会の会見の際に、退陣の要因となった問題として「普天間問題」と「政治とカネ」の2点を挙げていた。母親から政治資金の援助を受け政治資金報告書に記載していなかった問題は、いい年をして親の脛かじりかという嘲笑をかったが、有権者の多くはこの問題に目くじらを立てようとは思っていなかった。

鳩山政権の息の根を止めたのは、結局、自身が撒いた種、普天間基地の移設問題であったといえるだろう。
鳩山自身も認めているように、沖縄県民の負担を軽減させたいという意図から始まったこととはいえ、逆に沖縄や徳之島の住民の気持ちを逆なでするようなこととなり、連立政権のパートナーだった社民党を離脱に追い込んだ。
5月末までという期限を切り、最低でも県外と自分で設定したハードルを結局越えられなかったのだから、首相としての政治指導力の欠如や責任を問われてもしかたないだろう。一国のトップが大見得を切って国民に約束した事を反故同然にした責任は重い。

普天間基地問題の腑に落ちないこと

しかし、普天間問題の一連の流れを冷静にふり返ってみると、腑に落ちないことがたくさんある。そもそも、普天間基地の移設問題は、5月末までに結果が出せなければ、政権の命運にかかわる事であることは最初からわかっていたにもかかわらず、何ら進展らしい成果が得られなかったのは何故なのか?鳩山首相や官邸の人々は自らの政権基盤を揺るがすことに対して、どうしてこれほど無能無策、あるいは無頓着だったように見えるのだろうか。

新聞報道などによれば、平野官房長官を中心とした官邸の動きが全て後手に回っており、耳障りの良い情報だけが首相に入っていたため対応が遅れ、結果的に期限ぎりぎりになってからの沖縄訪問になった。しかも、沖縄に訪問する前日に、日米合意の内容がリークされ、新聞報道に書かれた内容を首相の口から沖縄知事が聞くという前代未聞の状況が現出した。

政治コメンテーターは、官邸サイドが、事前に意図的にマスコミにリークし、事態の既成事実化することを狙ったものという見方をしていたが、一国の首相に対して、新聞報道の内容をなぞるだけの子供の使いのような役割をさせることを官邸が自ら主導することが果たしてありえただろうか。

日米安保マフィアとの抗争に負けた鳩山、小沢

鳩山由起夫と小沢一郎が退陣に追い込まれた今、私は全く別の見方をしている。鳩山と小沢は、米国の意志を体現した、いわゆる日米安保マフィア、親米・国体主義者との抗争に負けたのだ。

8ヶ月前、小沢一郎の巧みな選挙戦略で政権交代を成し遂げ、鳩山政権は内閣支持率が70%を越える中、順調な船出をしたかのように見えたが、民主党の政策が圧倒的な支持を得たというより、実際は自民党に対する失望票を集めていただけで、政権の支持基盤は脆弱だった。一方、政権交代によって新たな転換が生じたことを演出するために自民党の政策とは逆行する方針が打ち出され、外交もそうした既定方針に基づき、インド洋沖での給油活動中止の方針などが打ち出された。

政権発足と同時に打ち出された東アジア共同体構想もこうした新たな外交政策の中軸を成すもので、米国一辺倒だった外交軸を成長著しい東アジアにシフトすることを意味していた。小沢一郎が民主党議員団を大挙引き連れて中国の胡錦涛主席を訪問し、記念写真を撮り、宮内庁の役人を恫喝して、習副主席と天皇との会見をセットしたのも、中国との距離を縮め東アジアに新たな外交軸を立てることを狙いとしていた。

米国一辺倒の外光軸を東アジアにシフトする構想

米国はこうした動きに多少は苛立っただろうが、米国自体も日本をパッシングして中国との接近を図っているわけだから、鳩山政権のとった外交方針は、この国の成長戦略を考えた場合は極めて妥当な判断であったといえる。

普天間問題についてもこうした文脈のもとで対応が進められ、政権交代を前提とした民主党による「政治主導」のもと、米国との間でこの問題に対する新しいアプローチの構築が模索されるはずだった。しかし、事態は全く逆の方向に進展した。

日本には親米・国体主義者とでもいうべき勢力が、官僚組織やマスコミの中枢に巣くっている。こうした連中が最悪なのは、国家主義者であるにもかかわらず、「親米」という歪んだ国家意識を持っている点だ。連中の唯一の拠り所は、戦前的な価値観の継続性、正統性を煽ることなのだが、それは反中国あるいは中国、韓国に対する差別意識に裏打ちされていて、その意識の裏返しとして「親米」を言っているに過ぎず、自分がなぜ「親米」なのかについては全く判断を停止している。

インド洋の給油活動停止に過剰反応したマスコミ

インド洋での自衛隊による給油活動中止の問題が俎上にのぼった時には、マスコミも含め、給油中止を公約通り行ったら明日にでも日米同盟が崩壊し、日本の安全保障は危機に晒されるというような論調が垂れ流されたが、実際は止めても何事も起こらなかった。

私はこうした議論を展開することで何も「反米」主義者になれといっているわけではない。日本の官僚やマスコミのように、過剰に米国の顔色を伺うことからは、そろそろ卒業しないと先はないぜと言いたいだけだ。それが、21世紀の多極化した世界に対する正しい戦略になると考えるからだ。

さて、普天間の移転問題に話を戻そう。鳩山政権の中で、先ず米国の意図に過剰反応したのは岡田外相だった。年内には普天間問題を決着しなくてはならないと述べ、辺野古への移転しか現実的な対応策が無いというようなメッセージを折々に発信していた。

圧倒的に不利な詰め将棋に陥った鳩山政権

外務省は親米・国体主義者の巣窟であるから、洗脳されても仕方ないのかも知れないが、これはあまりにナイーブな対応だったと言えるだろう。「年内に決着を」というような圧力をゲーツ国防長官から受けていたのかもしれないが、そんな言葉は「社交辞令」ぐらいに思って受け流しておけばよかった。移転問題の結論を何とか年内に出すという生真面目な空気が出来上がり、それが無理だから5月末にという形で問題解決の期限を区切った時点で、この普天間基地の移設問題は政権にとって圧倒的に不利な詰め将棋になってしまった。

だから、普天間問題の初動における岡田外相の政治姿勢こそが、今回の事態を招いた本質的な原因だと考えている。外交においては、相手の言うことに対して「馬耳東風」を決め込む、自分にとって意味のあることしか聞かないという態度も時に必要である。米国に言われたから、それに対して常に何かしらの答えを用意するというのは、属国のとる態度に過ぎない。

歴史に「もし」はありえないが、米国の「早期に決着を」という要求に対して、数年かけて移転の現実的な対応に向けた米国、沖縄、移転候補先の協議の場を先ずはつくるという話ぐらいで押し返すという戦略もありえただろう。本来、普天間基地の問題は、米軍と周辺住民の問題であり、米軍も問題の当事者なのだから、鳩山政権だけが問題解決の責任を負い、ついには一国の首相だけが問題解決のために奔走するという袋小路に陥ったこと自体が根本的な戦略ミスだった。

日本のマスコミは、鳩山首相の責任を問うばかりで、問題の当事者である米国の責任を一言も問わないのは何故なのか。
また、一国の首相を問題の解決に根回しもなく奔走させ、晒し者にした官僚組織の責任を問わないのは何故なのか。

普天間問題でサポタージュニに回った官僚組織

官僚組織についていえば、官邸の統治能力の欠如も確かにあったのだろうが、あきらかにサポタージュがあったと考えられる。鳩山政権の支持率が政治とカネの問題でつるべ落としのように下降線をたどっている状況を横目でみながら、外務官僚や沖縄や移転候補地の交渉にあたる官僚の間では、「積極的に何もしない」ということが一番賢い態度となったことは想像に難くない。彼等が何もしなければ、詰め将棋は、自ずと親米・国体主義者の勝利に終わる。

親米・国体主義者たちは、今回の詰め将棋に勝ち、鳩山由起夫と小沢一郎はセットで政治の表舞台から降りた。これによって、結局、この国は何を得て、何を失ったのだろうか。
ゲーツ国防長官は鳩山首相の退陣を受けて、間髪を置かずに次期政権が米国との同盟関係の深化を意志表示することを望むと早々と次の首相に対して宿題を課した。東アジア共同体などと余計なことはいわずに米国の傘の下で大人しくしていろという恫喝のようなものである。朝鮮半島情勢が緊迫の度を加えている中で、そうした恫喝に対しても唯々諾々とした態度しかとれないだろうと見ているのだ。

鳩山首相が退陣を表明した、前日の6月1日に官邸からひとつの発表があった。マスコミにはほとんど取り上げられていないが、「東アジア共同体構想」を鳩山首相が閣僚懇談会で明らかにしたのである。

退陣の前日に発表された東アジア共同体構想

昨年の11月、シンガポールで開催されたAPECで鳩山由紀夫首相は持論の「東アジア共同体構想」について演説を行っていた。この演説は日本の歴代首相がこれまで行ったどの演説よりもビジョンと理想が感じられる格調の高いものだった。

鳩山は、この演説の中で「開かれた地域主義」に無限の可能性を感じ、アジアの人々の開かれたふれあいが、東アジアの成長の最も大事な鍵になると主張している

「最後に、私が東アジア共同体構想を前進させる際に最も大事な鍵になると思っていることに触れておきたいと思います。それは『人』です。日本製品がアジア諸国で普及しても日本でアジア諸国からの輸入が増えても、それだけで相互理解が実現することはありえません。『人と人との触れ合い』を通じてはじめて我々は真にわかりあえます。
この地域では、ASEAN+6で32億人強、APECで27億の人々が生活しています。そのエネルギーたるや凄まじいものです。この地域に住む様々な人々が国境の垣根を越えて交われば、思いもよらない新たな活力と知恵が生まれてくるに違いありません」

鳩山の言う「友愛」は、しばしば、政治家としての甘さを象徴するものとして中曽根元首相から「アイスクリームのようだ」と揶揄される場面もあった。しかし、この演説を見ると、鳩山がそうした揶揄や嘲笑を浴びながらも、その理念をしたたかに鍛えてきたこと、そして、これからの日本と世界や東アジアが、鳩山が言うところのある種の理想主義を抜きにしては、一歩も先進めない地点に来ていることに気づくのだ。

この演説の最後を鳩山は彼らしい呼びかけで終えている

「日本は来年、APEC議長を務めます。
皆さん、この機会をとらえて、どうか日本に来てください。
日本には、雪があります、温泉があります。
暖かい心を持った人々が皆さんを待っています。
また来年、お会いしましょう」

鳩山が両院議員総会で退陣のあいさつをした時に、その思いはAPECでのこの最後の挨拶の言葉に飛んだかも知れない。

今年のAPECのホスト国となる日本の政治の世界に鳩山由紀夫はもういない。
10年後、私たちは東アジア共同体構想が持っていた本当の価値とそのことを言った政治家を一顧だにせずに葬ったことの代償を苦々しく自覚するのかもしれない。

(カトラー)

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「韓国負け」する日本、何故日本は韓国に負け続けるのか?

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バンクーバ五輪が昨日で幕を閉じた。

前回のトリノでは、荒川静香の金メダルだけだったことに比べれば、メダルの数こそ増えたが、金メダルはひとつも取れずに終わった。
対照的だったのが韓国だ。スピードスケートでの長島、加藤の銀、銅メダルには日本中が沸いたが、金メダルをとったのは、韓国選手だった。前評判通りの圧倒的な強さを見せたキム・ヨナをはじめ、韓国は、今回のオリンピックで金メダル6個を含む計14個のメダルを獲得し、参加国中5番目という好成績を残した。

オリンピック開催の1週間前、サッカーの日韓戦でも日本は韓国に完敗した。
シュートの技術的精度といい、選手の気持ちの強さといい、全ての面で韓国は、日本チームを上回っていた。試合終了後、日本のサポーターからは日本のイレブンに対してブーイングが飛び、「岡田監督辞めろ!」というプラカードが掲出されたほどで、ワールドカップが半年先でなかったら、確実に岡田監督の更迭論に火が付いただろう。

政治、経済の面でも韓国負けする日本

スポーツばかりではない、経済の面でも韓国が、政治とカネの問題でゴタゴタが続く日本を尻目に、4~5%という回復軌道に乗り始めた。
リーマンショック後の世界経済危機の中で、外需依存率が高い韓国は、日本よりも大きなマイナスを被った。しかし、その後は、例えば米国の自動車市場で、日本車が軒並み売上げを落とし続けた中にあって、現代(ヒュンダイ)だけがシェアを伸ばしている。家電の世界でも、薄型テレビの米国市場で一番の売れ筋のトップブランドは、今やSONYやPanasonicではなくSUMSUNだ。
韓国の工業製品が世界市場で躍進している背景にはウォン安が進んだこともあるが、製品開発力やマーケティング力が日本企業と互角以上になりつつあることが根本要因だ。

政治の世界では、もっと明暗がはっきりする。
就任当初、逆風を受けて、支持率が急降下した李明博大統領だったが、ここにきて強力なリーダーシップで実績をあげ、支持率をV字回復させている。

アラブ首長国連邦の原子力発電プロジェクトを落札

アラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電プロジェクトを日本、フランスを向こうに回して韓国が落札したことには、世界中が驚いた。国内で原子力発電所を稼働させているとはいえ、技術的に日仏に優っているわけでもなく、海外での原子力プラントの建設実績もなかったからだ。
韓国の「快挙」に対して、李明博大統領が直接セールスしたからとか、価格面でダンピングをしたからと表面的な報道が日本のメディアを通じて垂れ流されたが、日本が負けた理由はそんなことではない。

韓国は、海外での原子力発電所建設・運営ビジネスを自国の成長戦略の柱に位置づけ、全面的なバックアップを行っていた。今回の入札に関しても原子炉メーカーだけでなく韓国電力公社を中心としたコンソーシアムを組んで対応しており、日本が原子炉は日立、運営はGEにという形で丸投げして対応していたのとは対照的だった。
UAEのような原子力発電所の運用経験の無い国にとって、必要なのは高価で技術スペックの高い原子炉ではなく、それを確実にオペレーションしてくれるパートナーの存在だ。

とすれば、日本の負けは入札段階から既に決まっていたともいえる。韓国がダンピングしたからでも、李明博大統領が皇太子に電話をして直接セールスしたからでもない、負けるべくして、負けたのだ。

世界の農地の確保に乗り出した韓国

2月11日にオンエアされたNHKスペシャル「ランドラッシュ」では、世界的な食料危機を見こした外国企業がアフリカやウクライナの肥沃な農地の争奪戦を展開していることが報告されていた。
韓国も2年前の世界的な穀物価格の急騰に教訓を得て、国内の食糧需要の四分の一を海外農地の確保によって賄うことを国策と位置づけ、世界中で農地の獲得を進めている。番組では、ロシアの沿海州の農地を売却する話が、いったんは日本企業に持ち込まれたが、結局、国策を受けて動いている韓国の現代工業に持っていかれてしまった経緯がレポートされていた。

韓国南部の全羅北道には、現在、国家食品バイオクラスターが建設されつつあり、機能性食品の研究開発拠点、製造工場、そして商品パッケージなどをデザインするデザイン・マーケティングセンターなども整備され、日本の食品メーカーなどに対しても投資、進出を呼びかけている。

こうしたひとつひとつの事実を線で結んでいけば、そこからは韓国の周到な食糧戦略が浮かび上がってくる。
すなわち、まず、海外の肥沃な農地を低コストで確保し、そこで生産された大豆などの農産物を加工、商品化する産業拠点を全羅北道において育成する。次いで、その商品をアジアの物流ハブとなった釜山港、仁川空港を通じて全世界に輸出していくという構想だ。

日本は、何故、韓国に負け続けるのか?

私はその根本原因は、日本の政治、企業、メディアそして国民が内向きで、外を見ようとしていないことにあると考えている。もちろん、社会、経済の全体として見れば、日本の方がまだ韓国に優っている点が多い。しかし、国内に大きな市場を持っていることが逆に世界市場に目を向けさせ、そこで真剣勝負することの足枷になっている。

外を見ようとしない内向きな日本

例えば、薄型テレビの基本部材である液晶パネルの生産で、世界市場でトップシェアを持っているのは、いずれも、サムスン(25.7%)、LG(20.3%)、AUO(17.0%)といった韓国や台湾企業で、日本のメーカーでは、シャープだけだ。そのシャープのシェアもわずか8.4%という水準であり、日本の消費者は、この数字を聞くと誰もがホント?という顔をする。世界中のテレビを日本の家電メーカーが製造しているという過去の栄光のイメージから醒めていないからだ。

国内的には大成功している(といわれる)シャープのような日本企業が、世界市場の競争の舞台では、いつのまにか後塵を拝しているという事実、これと同じような現象が、日本の政治、経済、社会のいたるところで進行しているのではないか。

国内に耳障りの良いことしか書かないマスコミ

メディアもこうした現象の片棒を担いできた。というのも日本のマスコミは、基本的には国内市場だけを相手にしてきたからだ。今回のオリンピックでも、長島、加藤の銀、銅メダルのことは騒ぎ立てるが、韓国選手が金メダルをとったことはほとんど報じない。国内の人間にとって耳障りの良いことしか書き立てないのだ。

逆に韓国の強さは、国内市場が日本に比べると格段に小さいため、常に外に向かうことを強いられている点だ。日本のように、内需か外需かという問題の立て方そのものが成立しない。外で勝てなければ、それはそのまま野垂れ死にすることを意味する。
日本経済も本当は韓国と同じではないかと思っている。外需ではなく内需主導云々というのは、政治的キャッチフレーズとしてはありえても実体としては幻想に過ぎない。食糧の国内自給率を上げれば、島国の中で日本人は幸せに暮らしていけるなどというのは所詮お伽噺だ。

話をもう一度オリンピックに戻そう。
女子フィギュアスケートの決勝で、韓国のキム・ヨナが完璧な演技を見せ、歴史に残る高得点をたたき出し、金メダルを獲得した。

浅田真央が流した涙の意味

試合後の浅田真央のインタビューが、私にとっては最も印象的だった。
キム・ヨナが前評判通りの圧倒的な強さを目の当たりにすれば、浅田は、現在の実力の差を理解して、むしろさばさばしているのではないかと思っていたが、予想に反して子供のように泣きじゃくっていた。

よほど悔しく、金メダルが欲しかったのだろう。技術、表現力の面での完成度からいえば、数段、キム・ヨナが優っていて、そのことを浅田が一番わかっていたはずだが、それでもなお浅田が心の底から金メダルを獲ろうと決意していたことが伝わってきた。例によって日本のメディアは、「トリプルアクセルを史上初めて2度飛んだ」とか、本当にくだらないヘドが出るようなフォローを行っていたが、日本のメディアや観客が、どう思っているかなどは関係なく、浅田真央は、金メダルだけが欲しかったからこそ泣きじゃくっていたのだ。

この純粋さこそが、浅田真央という選手の強さの本質であり、少し大げさにいえば、こうした若者が登場してきたことがこれからの日本の「希望」かも知れない。

彼女は、今回、キム・ヨナに負けた。しかし、彼女の目には明らかにその先に広がっている「世界」が見えていたはずだ。

(カトラー)

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第3のビールブームが告げるビール成長神話の終わり

Photo_4 近所にあるスーパー、イオンの店頭に「麦の薫り」というビール風味飲料・第3のビールが山積みセールされていた。

よく見るとイオングループのプライベートブランド「トップバリュー」の商品として売られている。350ml缶が100円という低価格もさることながら、驚かされたのは、サントリーとのダブルブランドになっていたことだ(写真)。
大手流通のPBをナショナルブランドのメーカーが製造するケースはこれまでにもあったが、PB商品のパッケージにサントリーのような大手メーカーのブランドマークが並記されることはまずなかった。

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ばらまき補正予算の影で進行する日本農業の緩慢なる死

Photo8月にも想定されている衆議院総選挙に向けて、地方票の取り込みを狙った農家へのばらまき・アナウンス合戦が激しさを増している。

そもそもの発端は、先の参議院総選挙で、民主党の小沢一郎代表が農家に対する「戸別所得補償」という政策をぶち上げ、自民党の牙城ともいえる農村票を鷲掴みにして、参議院総選挙に大勝、参議院における与野党、逆転状況を作りだしたことにあった。

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爆走する中国の電気自転車ブームの行方

Photo 最近、上海や北京に行った人が印象に残ったこととして必ずあげるのが、電動自転車が街のあちこちを走り回っている光景である。

一昔前の日本のメディアが、中国を描く際に、必ずといっていいほど取り上げるステレオタイプ化された映像があった。それは、人民服を着た膨大な数の中国人労働者が自転車に乗って一斉に職場に出勤するシーンだ。自転車に乗った人々が蟻の大群のように街のそこかしこから溢れ出て行進する姿は、中国という国の貧しさ、そして同時にその膨大な潜在力を象徴していた。

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ハーフ・エコノミーの衝撃、もう米国にも内需にも頼れない

Photo 経済が縮減し、ついには1/2になってしまう「ハーフ・エコノミー」の恐怖が現実のものになりつつある。

3月発表された米国の新車販売台数は、約68万台で、DSR(1日当たり販売台数)は前年同月比約38.9%減、17カ月連続のマイナスとなった。中でも米国メーカーの落ち込みがひどい、ゼネラル・モーターズは前年比-51%という惨憺たる状況だ。

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死んだふり?米国ビッグスリーが電気自動車で復活する日

ビッグ3に緊急融資140~150億ドル 米議会

【ワシントン=西崎香】経営危機の米自動車大手3社(ビッグ3)の救済をめぐり、米議会は5日、2~3カ月間の資金繰りを満たす短期的な「緊急つなぎ融資」を実施する方針を明らかにした。規模は当面の危機対応に必要とされる140億~150億ドル(1兆3千億~1兆4千億円)でブッシュ政権と調整しており、今週採決する見通しだ。米メディアが伝えた。(asahi.comより)

Big3 米国のビッグ3が存亡の瀬戸際に立たされている。3社で総額3兆2千億円(340億ドル)に達する公的資金の注入と債務保証を求めていたが、ブッシュ政権下で140億ドルの緊急つなぎ融資を実施する見通しとなってきた。

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第三の開国へ、日本は何故韓国に惨敗したのか?

Photo_5 金メダルの獲得を公言して北京にのりこんだ星野ジャパンが、銅メダルにも手が届かず惨敗を喫した。選手達は萎縮しチャンスに得点が上げられず、草野球のようなミスを連発し、自慢の投手陣も完膚無きまでに打ち込まれた。
誰の目にも明らかだったのは、選手の気迫、ゲームの采配・戦略のどれをとっても完全に力負けしている日本代表の姿だった。マスコミも「金メダル以外は意味がない」という星野の言葉に同調し、メダル獲得があたかも大前提のような物言いで星野ジャパンをはやし立てたが、予選リーグを通過するのがやっとという、ぶざまな有様だった。

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